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なんと半世紀以上の歴史が詰まった、佐賀の人情あるラーメン店 宝来軒(佐賀県・神埼市)【福岡県大川市に移住した映画監督の豚骨ラーメン日記】第5回

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 前回(第4回)に続いて佐賀県神埼市からもう一軒、昭和39年の東京オリンピックの年にオープンされたというこちらも老舗のラーメン店「宝来軒」をご紹介します。

「宝来軒」佐賀県・神埼市

 昔、賑やかだったという商店街に位置します。昭和が残る佇まいの立派なお店(裏が御宅)です。

店の裏側に駐車場があって便利

カウンター8席くらいテーブル席が2つ。店内は濃厚な豚骨臭で満たされています

この小上がりが絶妙

 ここには2度は必ず来たくなります。理由はこのメニュー。

 ラーメンと、邪道ラーメンがあるのです。どちらも550円。

 いつか夜に来て焼き鳥とかおでんを食べてみたい。佐賀の日本酒もあります。

ゆでたまご50円

 定番のゆでたまごは、こんな感じでカウンターに置いてます。いつものように食べながら待ちます。

もちろん固ゆで

ラーメン550円

 こちらがラーメンです。黄色みがかったスープにチャーシュー、海苔、ネギ。紅ショウガも最初から少し乗っています。

ゆでたまごを食べ終わる前にラーメンが到着

 ゆで卵の半分をスープに投入して食べ始めます。

 麺は佐賀の定番・中太ストレートの柔麺。カタ麺もやってくれますが、ここはお任せの柔麺で。

 「替え玉より大盛りの方が美味しい」そう言い切るおかあさんは替え玉否定派。久留米・佐賀ラーメン系は元々替え玉より大盛りの文化なのです。

 しっかりと味のある豚骨スープは甘みがあって、胃袋を温かく満たしてくれます。

 脂身の少ない薄切りチャーシューの味がかなり濃く、最初から入っている紅ショウガと合わせて、スープに少しずつ染みていってそれがまたクセになります。柔麺とスープを交互に食べていくと、どんどん口の周りが脂でパックされツヤツヤに。

 対して、「邪道ラーメン(豚骨でない、あっさりしたラーメン)」はこちら。

邪道ラーメン550円

 透明に近いスープ。こっちは最初からすりゴマがたっぷり

 麺も具も同じなんですが、こちらはスープがあっさりした塩味。食べ続けても口周りがパックされません。店内の匂いのせいで、豚骨風な気がしなくもないんですが、塩ラーメンですね。こっちは夜中に食べても胃もたれしなそうな優しさ。

おにぎりも塩がしっかり効いてて美味いです

 去年、ご主人を亡くされたということで、今はおかあさんお一人で営業されています。食べている間、本当に色々とお話をしてくれます。このお店が製麺所とアイスキャンデーと回転焼きから始まったこと、近くのラーメン店が辞めたときにそこの方がラーメンの作り方を教えてくれたこと、子育てに紙おむつを使ったことが無かったとか、商店街が賑やかだった頃は砂埃がすごかった……、などなど、おしゃべり好きなとても明るく素敵な女性で、姿勢も美しく、とても80歳を超えているように見えません。座ってばかりの正月が苦痛だそうです。基本毎日、夜中の1時まで営業しているという!

 僕の隣に座ったおばあちゃんは85歳で、点滴帰りに自転車で食べに来ていました。病院帰りにとんこつラーメンですよ! 九州のお年寄りはどんだけ元気なんですか。

宝来軒
佐賀県神埼市神埼町神埼75
営業時間:11時〜25時
定休日:不定休

完山京洪 Keihiro Kanyama (映画監督)

映画制作をきっかけに東京から福岡県大川市に移住して4年半。完全にとんこつラーメンの中毒に。映画の他にゲストハウスLittleOkawoodを運営。

本人Twitter @Keihiro
ラーメン食べ歩きインスタ @ramencrazyfukuoka

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