印象はちょっと異なります:
カップヌードル「イタリアンシーフード」 “シーフードヌードルの派生”と思わないほうがいい
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「カップヌードル イタリアンシーフード ビッグ」
日清食品
8月7日発売
271円(税別)
https://www.nissin.com/jp/products/items/11941
シーフードヌードルの“アレンジ”から生まれた
定番商品というのは、やはり多くの人になじみがあるから定番になっているわけです。定番だから多くの人になじみがある、とも言えましょうか。ニワトリが先かタマゴが先かというやつです。
一方で、その定番にアレンジを利かせたバリエーション商品もありますね。とはいえ、あまり大きく変えてしまうのも考えもの。定番の味わいから逸れてしまうからです。
たとえば、天下一品の「こってりMAX」は、既存の「こってり」の味のバランスはそのままに、より濃さが増していました。これなど、定番のアレンジとして理想形といえるでしょう。
さて、日清食品が8月7日に発売したのが「カップヌードル イタリアンシーフード ビッグ」。その名の通り、「カップヌードル シーフード」のバリエーションというか、アレンジ品です。
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パッケージもイタリアンカラーですね
そもそも、商品の開発からして、“アレンジ”の発想から生まれたものなのです。SNS上の「温めたトマトジュースでシーフードヌードルを作るとおいしい』という口コミに着目し、シーフードヌードルをイタリアンな味わいにアレンジした商品とのこと。
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フタにもトマトとガーリックのイラストがありますね
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乾燥したトマトが入っているのがわかります
ポークと魚介の旨味が特徴である「シーフードヌードル」のスープに、フライドガーリックの風味、トマトの酸味と甘みを加えたコクうまな味わいとのこと。具材にはキャベツ、イカ、たまご。そして、トマトが入っています。
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できあがり。やはりトマト由来(?)の赤さがあります
トマトとガーリックによって、雰囲気がちょっと異なる
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スープの雰囲気が違う
シーフードヌードルのアレンジなので、どこが同じで、どこが異なるのか……というところが気になるポイントでしょう。
やはり、違いはスープです。シーフードヌードルらしい魚介感もあるのですが、ガーリックの香りとトマトの甘みも出ています。とくに、トマトの風味と香りが個性的で、スープの味わいを決定付けています。
ガーリックは、味というよりは香りで主張するところが大きいですね。トマトの風味とガーリックの香りが印象に残るため、いつものシーフードヌードルとはかなり雰囲気が違うスープになっています。
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麺は“いつもの”やつです
麺は、(おそらく)シーフードヌードルと同じ太さのものです。そのため、よりスープの違いが際立つ感じになっているようにも感じました。
具材のキャベツ、イカ、たまごはシーフードヌードルと同じ。ただ、ここにもトマトが入っています。このトマトが結構ポイントというか、「ベースはシーフードヌードルなんだけれども、シーフードヌードルっぽくない」要素に寄与していますね。
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小さいながら存在感のあるトマト
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シーフードヌードルらしく、イカもあります
このトマト、サイズとしては小さいのですが、食感と味わいが「あー、いつも(のシーフードヌードル)と違うわ」と思わせてくれるのです。しかしながら、同じく具材にトマトを使っている「カップヌードル チリトマト」あたりに似ているかといわれればそうでもないのも、おもしろいところ。
スープの味の土台が違うので、トマトが入っているという共通項があっても、チリトマトなどとはかなり個性が異なる。結果的に、レギュラーメニューにはない「欧風のスープパスタ」のような、独自の味わいをもったカップヌードルに仕上がっています。
カップ麺として味はまとまっているのですが、「いつものシーフードヌードル」とはかなり雰囲気が異なります。なので、シーフードヌードルの派生と思いすぎずに、「これは、こういうもの」と考えたほうがよいでしょう。
イタリアンな味というか、「ガーリックとトマトの風味が個性的なカップ麺」と考えて食べるのがよろしいかと思われます。
モーダル小嶋
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1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願い申し上げます。
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