ラーメンインタビュアー岡崎美玖の一杯に込められた魂のストーリー #2

【こだわりの自家製麺!若きラーメン店主が二人三脚で手掛ける絶品手打ち中華そばの魅力に迫る】手打麺祭 かめ囲(東京・柴崎)

2023年10月13日 12時00分更新

 こんにちは。ラーメンインタビュアーの岡崎美玖(おかみく)です。

 第2回となる本コラム連載は、讃岐うどんの技法を取り入れた「自家製麺」にとことんこだわる絶品手打ち麺に密着。

 なんと店主は25歳という若さながらも、ラーメンWalker2024の東京新店1位を獲得し、開店して1年経つ今も行列必至…!

 インパクトある麺の魅力、それを作り上げる店主・亀井さんの魅力にグッと迫りました。

若きルーキーが手掛ける絶品手打ち麺『手打麺祭 かめ囲』

 京王線柴崎駅より徒歩5分ほどのところにある、『手打麺祭 かめ囲』さん。

 取材日当日、夜営業の開店時間と同時にお伺いすると既に行列が...!

『手打麺祭 かめ囲』(東京・柴崎)

 店主は、蒲田にあるつけ麺の名店『煮干しつけ麺 宮元』で6年間修業し、最後の1年間は『手打中華蕎麦亀庵』として奥様のめんまさんと一緒に間借り営業も行っていた亀井康太さん。

亀井康太さん(写真右)めんまさん(写真左)

 神奈川県小田原市出身という亀井さんは、大学受験で都内に出ることが多くなったことがきっかけで様々なラーメンに魅了され、いつの間にか食べ歩きにのめりこんでいったのだそう。

 亀井さん「食べ歩きをする中で『煮干しつけ麺 宮元』に出会い、その美味しさに衝撃を受けました。18歳だった当時、通いつめて顔を覚えてもらうようになって、店主の宮元達宏さんから溢れるパワーや人間力に惹かれました。この人についていったら人生どうなっていくんだろう、この人と一緒に働きたい!と思い、気付けばアルバイトをしたいと懇願していました」

 めんまさんと二人三脚で切り盛りし、いたるところに散りばめられている「亀」のアイテムたち。

 カラーリングもグリーンで統一されていてとてもお洒落な店内も魅力的です。

こだわりの詰まったインパクト抜群の中華蕎麦

「特製手打中華蕎麦」(1550円)

 そんな店内で頂く、看板メニューの「特製手打中華蕎麦」。

 黒さつま鶏、はかた地どりといった2種類の地鶏を中心に、鴨、豚、煮干しや昆布などの乾物類を一緒に炊いて丁寧にとった醤油スープは、主役の麺に負けることなく分厚く、一杯のバランスを整えそっと支えてくれます。

 亀井さん「様々な素材の旨味を重ねつつバランスを大切にし、スープに厚みを持たせることで温度による味の変化を味わってもらい、最後まで飽きの来ない味づくりにこだわっています」

 同店の一番の魅力と言っても過言ではない、このインパクトのある『麺』。

 注文を受けてから手切りし、むちもちっとした唯一無二の食感がたまりません。

 営業当日に全て手作業で打ち立てにすることで、機械打ちでは出せない麺の艶やみずみずしさが生まれ、中でも麺を茹でる直前に麺線にすることでフレッシュ感をだすことがこだわりのひとつなのだそう。

 そして、店名にある「手打麺祭」の由来は、うどん用の小麦粉「麺祭」を主軸として使用しているとのこと。

 亀井さん「自分の中で一番好きな麺が“讃岐うどん”なので、その技法をラーメンに取り入れたいと思いました。手打ち自体は独学で学んでいたものの、100食を超える仕込みをしていくとなった段階で限界を感じ、都内にある讃岐うどんのお店を片っ端から食べ歩いて好みだったところに電話で“教えてください”と頼みこみました。

 十条にある『讃岐うどん いわい』大将の岩井さんが快く引き受けて下さり、今でもそこで教えて頂いた技法を活かして麺を打っています」

 地道な努力の積み重ねで出来たこだわりの自家製麺は、並んででも食べたい一級品です。

ざくっとした歯ごたえがやみつきになる極太メンマ

 脇を固めるトッピングも抜かりありません。

 間借り営業の頃からファンが多い「自家製極太メンマ」は、めんまさんが仕込みを担当。

 一番手間がかかると言われる乾燥メンマの状態から、約2週間かけて仕上げていくのだそう...!

 めんまさん「実はメンマが苦手な私と、メンマ好きな彼が“美味しい!”と思うメンマが作れたら、それは最強なメンマなんじゃないかと思うんです」

 「お客さんの印象に残るメンマにしたい」と、初期の頃から比べると気付けばどんどん太く大きいメンマになっていったのだとか。

仕込みは毎朝5時頃から。一日はこの場所から始まるのだそう

 輝かしい賞を受賞し、一切現状に満足せず次なる一手を見据えていた亀井夫妻。

 毎日自分の好きな手打ち麺を作り続けられる嬉しさや楽しさがある一方で、より理想の一杯に仕上げるにはどうすれば良いのかと悩み続ける日々だと亀井さんは話します。

 亀井さん「自分が作る一杯の中にまだ眠っている“美味しくなる可能性”を、ただひたすら追い続けて磨いていき、来て召し上がってくれるお客様に幸せになってもらえたら嬉しいです」

 日々ブラッシュアップし、更なる味わいの変化が楽しみな『手打麺祭かめ囲』さん。

 ぜひ足を運んでみてくださいね。

手打麺祭 かめ囲
東京都調布市菊野台1丁目55-1
月・木~日: 11:00~14:30、18:00~20:00
火:11:00~14:30
水曜休
https://twitter.com/mensaikamei

岡崎美玖(ラーメンインタビュアー)

ラーメンインタビュアー」として活動中。週3〜4日、年間200杯ほど、都内を中心に食べ歩いている。 好きな四字熟語は「自家製麺」。SNSでは「#39麺」ラーメン情報を発信中。
https://mikuokazaki.com/
https://twitter.com/aaamiku39

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