ラーメンWalkerキッチン

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2021.12.08

ラーメンWalkerトークイベント Vol.2(2021/11/10)

日本を代表する人気実力店主たちによるトークイベント
〜We Love Ramen〜
『ラーメンの魅力と可能性』

日本を代表するスーパーバイザーをはじめとする実力店主、ゲストの方にご来店いただき、愛してやまないラーメンの魅力と可能性について語っていただきます。
トップランナーとして走り続ける店主ならではの味作りの秘訣や美学などファン必聴の内容が盛り沢山。ぜひご期待ください!


Vol.2 2021/11/10
出演(順不同)
宮田朋幸(百麺)、宮崎千尋(ソラノイロ)、山本敦之(金色不如帰)、坂井保臣(九段斑鳩)


左から、宮田店主、宮崎店主、山本店主、坂井店主


ご参加いただいた皆様との記念撮影


各店主からのご挨拶

「百麺」宮田朋幸店主:以下宮田店主
「百麺」の宮田です。

20年近く豚骨醤油ラーメンを提供しております。

「ソラノイロ」宮崎千尋店主:以下宮崎店主
10年前に創業しまして、ベジソバとかヴィーガンといったラーメンを作ってます。

今は店頭に立って自家製麺を作り、中華そば、つけそばを提供しています。

「金色不如帰」山本敦之店主:以下山本店主
「金色不如帰」の山本です。

創業15年で、色々なラーメンを作らせていただいてますので、お時間がございましたらぜひお越しください。

「九段斑鳩」坂井保臣店主:以下坂井店主
「九段斑鳩」の坂井です。

ダブルスープ、本枯鰹節、利尻昆布などを使用したラーメンを提供しております。

東京駅にある東京ラーメンストリートと市ヶ谷本店で営業しております。

「ラーメンに魅せられたきっかけ」

坂井店主
家業のアパレルの四代目なんですが、海外生産が増え価格競争が激しくなりアパレルを続けるのは厳しいなという状況になってきたんですよ。

そこで、せっかくだからアパレルで学んだ「モノづくり」を受け継ごうと考えた。

当時は不景気でみんな後ろ向きだった中、みんながやる気になるのは安い食べ物ではないかと。

そこが僕の変なところなのですが、「最高級食材でラーメンつくっちゃえと、値段は普通でいいじゃないか」と。

それで原価60%のラーメンが完成しました。



「『九段斑鳩』坂井店主がアパレルからラーメンへの道を選んだ理由」


宮崎店主
原価60%で成立するものなんでしょうか?

たぶん、山本さんもそんな感じだと思いますけど、2人はおかしいなと思いました(笑)

「坂井さんは修業なしでラーメンをはじめられた?」

坂井店主
父親からはさんざん修業しろと言われたんですが、修業は嫌だったんですよ。

料理もほとんどしたことがなかったので、逆に感性で勝負したかった。

必要なのはやはり覚悟ですよね、出来るまでやめないという覚悟を持ってずーっとアップデートしながらやっています。

「山本さんがラーメン店を目指されたきっかけは?」

山本店主
坂井さんと似たような感じなんですけど、僕の場合は建築で独立しようと思ったんですが景気が悪くなってきていて。

その当時あちこち現場に行っていたときに食べ歩いていたラーメンが好きだったのでラーメン店をやろうかなと。

それで「自分が一番好きな店、とにかく一番厳しい店」で、イチからやりたいという気持ちがあって、自分が選んだお店で4年半修業させてもらって、その後、今の原形となるお店を出店させていただいた。

食材に関してもいろいろ難しいところもあったけど、根性と努力だけが自分の持ち味なので、それで今まで頑張ってこれたかなと思う。

今はいろんなお客さんに喜んでいただけるようになったでの感謝しか無い。



「建築からラーメンへ!『金色不如帰』山本店主が選んだ修業の道とは?」


4年半の修業期間中はほとんどお休みはなくて、1日休めるのは年に2日か3日くらいしかなくて、1日15時間拘束なのでみんな1週間位でやめていきましたね。

僕が1年半位続いたころにその後2、3ヶ月続く後輩がようやくできたというくらい、当時は厳しかったですね。

その後、幡ヶ谷で独立しオープンしたのですが、最初の3年位はきつかった。

宮崎店主
そのころ、僕は山本さんのお店に行きましたよ、当時、僕が働いていた「一風堂」の河原成美社長と一緒に。

その時のお店はノーゲストでした、だれもお客さんがいない。

山本店主
最低で1日5杯くらいしか出なくて、1年半くらいそういう状況が続いた。売れるときでやっと1日30杯位。

毎日赤字で、ほんとに家財道具を売ったりしていたので、毎日女房に離婚届叩きつけられたりとか、そういう苦労を乗り越え、今はなんとか仲良くやらせてもらってますね(笑)

「山本さんがブレイクしたきっかけは?」

山本店主
折れずにずっと改良を繰り返していたある時、急にお客さんに喜んでいただけるようになった。

それを体感できたので、それからはお客様の表情を見て「うまくいったか、いかなかったか」を判断して、「もっと改良していろんなお客さんに喜んでいただきたい、食べていただきたい」という気持ちが強くなって、今だに改良を続けていますね。

「宮崎さんがラーメンを志したきっかけは?」

宮崎店主
単純にラーメンが好きだったんですよね。

高校時代、バスケ部だったんですけど、試合のたびにその駅周辺にどんなラーメン店があるかを調べて部活のみんなと行ったり、塾の帰りに行ったりという感じでラーメンを食べてました。

その後、大学時代に大崎裕史さん(現「ラーメンデータバンク」会長)のサイトに出会いました。

当時、僕は月に20杯位食べていたので「自分はすごい」と思っていたんですけども、大崎さんは月に60〜70杯位食べていて、「やばいな」と思って(笑)。

その後、大崎さんに連絡をとって、いろんなことを教わりましたね。



「一風堂出身という立場がありながら、違うスタイルでやった理由とは?」

宮崎店主
2つあって、1つは僕の性格的な部分で、「豚骨ラーメンの店にいたから豚骨をやる」というのは当たり前っぽくて嫌だった。

「一風堂」は豚骨ラーメン店の「汚い、臭い、怖い」というイメージを変えて、きれいでやさしい店員さんで臭くないラーメンを出す、という革命を起こした。

もう1つは「自分はどういう革命を起こせるか?ラーメン業界に一石を投じられるか?」を考えたときに、もっと女性に来てもらうということを意識して、野菜を使ったヘルシーなラーメン「ベジソバ」を出したいと思い作りました。

「ヴィーガン、フルーツラーメンなどにチャレンジする理由は?」

宮崎店主
ヴィーガンについてはフランスで開催された「パリラーメンウィーク」というイベントに参加した時に、お客様にヴィーガン対応ラーメンを出してほしいと言われたことがあったんですね。

一緒に参加していた「中村屋」(神奈川県海老名にあるラーメン店)の中村栄利くんは、アメリカですでに営業していたのでヴィーガン対応の用意があったんですね。だけど僕には無かった。

彼とは同い年で意識する部分もあって、僕はベジソバで動物系のものしか作れなくて、負けたと思ったので日本に帰ってすぐに作った。

日本で受けるかどうかというよりも、これが絶対グローバルスタンダードだから、世界の人がわざわざ日本の自分のお店に来ていただくことを考えたときに、グローバルスタンダードなラーメン店が増えていかないといけないと思い、ヴィーガン対応ラーメンも基本として持っておかないとだめだと思って作った。

でも最初はぜんぜん売れなくて1日で3杯、5杯とかで。

それがインバウンドが増えて1日20杯になって、東京ラーメンストリート(東京駅)のお店では2割、3割くらいになるなど伸びて行きましたね。


フルーツラーメンの方は創業2年目の時に桃のラーメンを1日限定でやったんですよ。

当時はいろんな限定ラーメンをゲリラ的にやっていたんですが、お客様が「桃のラーメンってちょっと気持ち悪いけど大丈夫かな?」という顔をされつつも食べてくれた。

それから徐々に農家さん、生産者さんと会うことが増えてきて、「桃農家さんの思いを自分ならどういう形で伝えることが出来るか?桃は桃のままで食べたほうが美味しいかもしれないけど、どうやったらラーメンにできるか?」を考えましたね。

フルーツのラーメンをやっている人がいなかったので、僕の性格ですけど、自分だけが出来る専売特許のような形で、1年に1個使うフルーツを増やそうと決めてフルーツを取り入れていったら、今年はついに6種類のフルーツを使うようになってきましたね。



「『ソラノイロ』宮崎店主が目指すラーメン業界の変化とチャレンジ」


「宮田さんがラーメンを始めた理由」

宮田店主
僕は売れないバンドをずっとやってまして、それだけでは食べていけないので手に職をつけようとラーメン店に入りました。

アルバイトから入って、途中から正社員になって、7年半後に独立しました。

何をやろうかなと考えた時に、自分でできるのは豚骨醤油しかなかったので、これで俺は勝負しよう、これでだめならしょうがないと思い切ってやることにしましたね。

1軒目の「誠屋」(八幡山店)はうまくいって、3年後にたまたま「百麺」を買い取らせてもらうことができたので、凄くラッキーでした。

「百麺を買い取られたときの印象は?」

宮田店主
売上は多少、厳しい時期だったけど絶対持ち直せる自信はあった、いい店だったし。

3店舗あるんですけど、当時それぞれ立ち上げの時から関わった店だったし、そこで青春時代を過ごしたと言っても過言ではなかったので、ぜひ残したいなと思って一生懸命がんばりました。

立て直しとしてやったこととしては従業員の教育と、大きくじゃないけど自分として美味しいんじゃないかという方向に味を作り変えることでした。


「宮田店主の店舗立て直し策とは?『百麺』成功のきっかけ」

「坂井さんが経営で気をつけていること」

坂井店主
これまであまり経営については気にしたことがなくて、コロナ禍になってから気をつけていかなくちゃいけないと思いました。

これまでスタッフには原価も稼働時間についてもあまり気にせず好きにやらせていて、美味しいラーメンを作って、お客さんにいっぱい来てもらえればいいじゃんと思ってきたけど、今やっと、経営について考えはじめています(笑)

「コロナの影響はいかがでしょうか?」

山本店主
コロナでインバウンドのお客様が少なくなりましたが、もともと日本の方々に食べてもらって美味しいと思ってもらえれば良いなと思っていたので、売上はあまり気にしないけど、営業できないと食べていけないので、そのへんはちゃんと考えてます。

インバウンドで世界の人たちに食べてもらえるのはもちろん有り難いですけど、日本の人たちに食べて喜んでもらえることが僕にとっては変わらず大切にしていることですね。

宮崎店主
パン(ソラノイロ本店に併設されているコッペパンのお店)は最初はばっと売れて、今は落ち着いた感じですけど、フードロスとかそういうのも含めて、自家製麺を使って焼きそばパンとか、ナポリタンにするなどやってきましたね。

豚を一頭買いすると端材が出るので、それを挽き肉にしてキーマカレーやメンチカツというかたちでパンに挟んで提供したり。

売上も気にしますけども、そういう観点よりはフードロスを減らして、ラーメン屋としてできることは無いかと考えてパン販売をスタートしました。

通販はおかげさまで去年はお店と同じ位の売上になった月もありましたね。

売上はすごいんですけど、具体的には送料の問題がやっぱりあって、なかなか難しい。

またお客様の声として、冷凍庫の容量が満杯で入れられないので買えないということも聞くので、これからは常温のものなど違うアプローチでお家で食べられるラーメンを考えなければ、と思ってます。

来年4月にはガソリン問題で送料がもっと高くなると言われているので、原価含めて考えなくてはならないことが増えると思いますね。



「今後について」

宮田店主
新しい店舗を出店して、従業員を独立させていきたい。

屋号は「百麺」でも良いし、自分で好きに考えてもらってもよいし、味も自分で出したいものを出してもらって良いので、そのバックアップをしたいと思っています。

宮崎店主
今は立て直しの時期と思っている。

同時に通販のこととか、インバウンドも今後は戻ってくると思うので、それに対してどういう準備をこれから先手を取ってやっておくか、種まきをどうやっておくか、守りと種まきを両方並行していく考え方で動いていきたい。

山本店主
スタッフを育てて2号店を出していきたいですし、その際は違うテイストのブランドを作ることを目標に動いています。

自分の目の届く範囲の近いところで出店したいと考えている。

坂井店主
コロナで大変だけど、通販とか冷凍とか全然考えて無くて、本店に看板をつけようかなと思っている(笑)。

市ヶ谷に移転して5年も経っているのでそろそろつけようかなと(笑)

お客様からの質問「日々のモチベーションの保ち方は?」

山本店主
作ってることが楽しいし、食材のことを考えているのが楽しいのであまり考えない。

それが一番のモチベーションの保ち方かな。

宮崎店主
どこかの本で読んだのですがモチベーションを上げる、下げるということを考えること自体をやめたほうが良いと書いてあったので、「モチベーション」という言葉自体を自分の中では封印している。

なのでモチベーションという事は考えず目の前にあることに集中して取り組むようにしている。

坂井店主
あんまり考えないですけど、お客様は常連さんが多いので、ちゃんと仕込みをして、試食してということを繰り返し、お客様に美味しいものを食べてもらえるよう取り組んでいます。

宮田店主
体を動かすことですね。体を動かしてテンションを上げるようにしている。

朝、お店に入るときに誰よりも一番元気に入っていきたいと意識していて、みんなと目を合わせて「おはよう」と挨拶して、声が違ったら「なんか調子悪いの?」と声をかけたりしている。

元気が無くなってくると、体を動かしたり、人に会ったり、楽しいことをするようにしている。

出演店主の最新情報は公式サイトでご確認ください

宮田朋幸店主百麺)、宮崎千尋店主ソラノイロ)、山本敦之店主金色不如帰)、坂井保臣店主九段斑鳩



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