ブーケの中からラーメン!? 食用花を使ったヘルシー麺が新しい マイラーメン グラスヌードル ショップ(東京・渋谷)【ピラティスインストラクターの健康的ラーメンライフ♪】第16回

2021年03月30日 12時00分更新

 ライターとインストラクターの兼業のおかげで体型がキープできていた私も、コロナ禍でレッスンがお休みの日が続き、ご多分に漏れずコロナ太りの心配が。そんな私と同じようなお悩みの方に朗報。

 3月14日、低カロリーで、動物性エキス・化学調味料・アルコール不使用のラーメンを提供する「マイラーメン グラスヌードル ショップ」が渋谷マルイ1階にオープンした。しかも、見た目も美しいエディブルフラワー(食用花)でデコレーションしたラーメン!

エディブルフラワーと季節野菜が鮮烈で、パッと見ラーメン?と疑うほど。ナルトに見立てた赤カブがラーメンらしさを演出♪

 仕掛け人の一人、ラーメンを監修するのは、ラーメン界の巨匠としてテレビ出演も数多い、ミシュラン・ビブグルマン掲載店「麺や七彩」の店主・阪田博昭氏。

無化調・打ちたて麺でお馴染み「麺や七彩」阪田氏が次に手掛けるのは?

 自他共に認める食材へのこだわりは、食材の産地に足を運び生産者の思いや生産意図に触れ、昔ながらの木桶仕込みの醤油蔵で木桶造りから参加したり、小豆島の海水を汲んできて塩づくりまで始めるほど。無化調ラーメンへのこだわりは、海よりも深い。

 その阪田氏とタッグを組むのは、(株)マイラーメン代表・丸山大介さん。そもそもマイラーメンと阪田氏が出会ったきっかけは、2016年にアラブ首長国連邦の首都アブダビで開催されたアニメフェスティバルだという。

「僕と共同代表の益永が日本アニメのライセンス契約の仕事をしてたんですが、アニメフェスでラーメン屋を出したいと、阪田さんを口説いたのが始まりなんです」

アブダビでも本店同様、水回しから麺を打ちラーメンを作る七彩2トップの阪田さんと藤井さん(麺や七彩HPより)

「その頃から世界中の皆さんに美味しくて健康的なラーメンを食べてもらいたいっていう思いがあったんですね。

 アブダビの後、無化調のヴィーガン袋麺を作りたいねって話に、阪田さんが『開発だったらやるよ!』と。七彩さんは、長年、無化調ラーメンにこだわり続けてますから心強かったです。スタートから企画・商品開発に関わってくれて、2017年に最初の袋麺が完成しました。

 徹底的にこだわって作ったんですが、販売当初、日本では全く売れなくて。どうしようかと北米に送ったら、あっという間に完売したんですよ。

 そこから日本国内で求められるものを作り直そうと、さらに開発に時間をかけて、結局2年かかったんですけど(笑)。麺とスープだけじゃなく、外袋をプラスチックから紙にしたり、印刷も石油系溶剤を1%未満に抑えた『ノンVOCインキ』を使うなど環境にも配慮して。

 そういうところもじっくり時間をかけて、現在の袋麺になったんです」

店舗では袋麺も販売。グラスヌードルで220kcal、オリジナル麺で250kcalほどと大幅にカロリーカット(カロリーはしょうゆ・しお・みそ3種のスープで異なる)

「『美味しくて健康的なラーメンを世界に届けたい』と、そこはブレないように続けた結果、昨年12月に渋谷マルイからこの袋麺を実際に食べてもらうお店ってことで、出店オファーがあったんです。

 そこから2ヶ月ちょっとの短期間でオープンと、すごいスピードで進めていったんですが、そのお話からすぐ阪田さんの中では、エディブルフラワーで行こうと決まってましたね。コンセプトは、お花畑です!」

渋谷マルイの1階入り口横に、突如お花屋さんが!?

彩り鮮やかなカップが並ぶと、ラーメン屋さんというよりお花屋さん。スタッフもグリーンを基調としたボタニカルな装い

メニューは季節野菜やエディブルフラワーがトッピングされた「ブーケ」と、九条ネギと胡麻たっぷりの「プレーン」。2種類の麺と、3種のスープから好みを選んで

 肝心のラーメンは、見た目の可愛らしさだけでなく、動物性エキスゼロ、化学調味料ゼロ、アルコールゼロと身体にもやさしく、食べてみると流石。無化調を極めてきた七彩・阪田さんが全面バックアップするだけあって、自然由来ながら無化調と思えない旨味がしっかり。

 ラーメンスープとオシャレな野菜やエディブルフラワーとの相性もいいとは、驚きの味! でも、どこか懐かしい味わいが。阪田さん曰く、昔から人気で自分も一番大好きなインスタントラーメンの味に寄せたそう。

「阪田さんは、誰でもわかりやすいようにそう言ってるんですね。

 それを完全に化学調味料、添加物を使わずに、無化調、天然素材で作り上げたんですよ! オリジナル麺だと天然モンゴルかん水に国産小麦粉、スープには有機酵母エキスを使ってますし、グラスヌードルは九州産サツマイモと北海道産ジャガイモのでん粉を、奈良県の春雨職人に頼んで特別に製麺してもらってます。

 天日干しや低温乾燥など、製法にもこだわっていますし、自然な旨味がたっぷり詰まった、毎日食べても身体にやさしい本当に美味しいラーメンなんです」

カップから一輪ずつお花を摘み取るようにいただくと、底からグラスヌードルが。モチモチした食感でスープとの相性もよく、中華麺派の私も脱帽

 七彩からは山崎雄介さんが店長として送り込まれ、店を切り盛りしている。ラーメン畑一筋の山崎店長だが、今までのラーメン作りとは違ったところで試行錯誤を重ねているそう。

店長・山崎雄介さん。ラーメン・中華料理店で経験を積み、七彩歴5年。昨年の「ラーメンWalkerキッチン」七彩出店を務め、こちらの新店へ

「ブーケに使うエディブルフラワーは毎日変わります。花の鮮度管理が難しくて、これまでのラーメンの具とは全然違って、持って2、3日のレベルなんですよ。鮮度を保つためには、乾かしてもダメ、湿らせてもダメ。初めて知ったんですけど、風が当たるだけで花がしおれちゃうんですよ(笑)。ブーケは、テイクアウトだとカップから花や野菜がはみ出してしまうこともわかり、花束のようにラッピングしてお渡しするようになりました。いま、実践しながら勉強中です」

季節の野菜は一つひとつさっと湯通しして鮮やかさを保つ

テイクアウト用ブーケは、花や野菜をピンセットで丁寧に盛り付けラッピング

花束のようなテイクアウト用ブーケ。袋麺同様、環境にも配慮し、未晒しの紙カップで提供。プラスチック製は別盛りスープ麺の蓋だけ

シンプルに味わうなら「プレーン」がおすすめ(オリジナル麺・しお味)

 しょうゆ・しお・みそと3種のスープ、グラスヌードル・オリジナル麺と2種の麺、それぞれいただいたところ、野菜や花に合わせるなら一番は塩かなと思っていたら、醤油は無化調の域を超えた旨味にパンチもあって甲乙つけがたい。味噌のブーケは野菜と汁のアンサンブルで食べると、まさにタンメン! 野菜は少しスープにディップスすると、ちょっと火が通って甘みが出て美味しい。

 もともとカロリーも大幅にカットされているので、今後のトッピングもヘルシー路線のキヌア、ファイバー、プロテイン、ビタミン……などが出てくるかもしれないとか。すでに、冷たい麺メニューも試作中だ。もしかしたら、七彩の夏の風物詩「トウキビの冷やし麺」や「だだちゃ豆の冷やし麺」も出てくるのではと期待大♪

「1ヶ月以内にメニューが変わっていくくらいのスピードで、どんどん新たなアイデアが出ています。無化調で環境にも配慮していくのは、かなり原価もかかって大変ですが、売り上げは後からついてくると思ってがんばってます!

 とくに今は、何でもネガティブになりがちですよね。だから、この店ではポジティブにしか考えないという決まりがあるんです。今までにないものを作るんだから、自分たちも楽しくないと! あとは、阪田さんの気分次第で変わっちゃうかもしれませんね(笑)」

店前と店内に丸テーブルが計3卓用意された立食形式

マイラーメン グラスヌードル ショップ
東京都渋谷区神南1-22-6 渋谷マルイ1F
03-4400-6576
11:00~20:00
shop@myramen.company

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。臨時休業など、詳しくはお店の公式インスタグラム(https://www.instagram.com/myramencompany/をご確認ください。

大熊美智代 Michiyo Okuma

ラーメン大好きなフリーランス編集者・ライター。ピラティスやヨガのインストラクター、ヤムナ認定プラクティショナー、パーソナルトレーナーとして指導も行なっており、美容と健康を心がけながらラーメンを食べ歩く日々。ラーメンの他には、かき氷、太巻き祭りずし、猫が好き。

本人Twitter @kuma_48_kuma
Instagram @kuma_48anna

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