冷やし中華は“進化”している! 武蔵野・多摩の冷やし中華特集【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第120回

2023年07月31日 12時00分更新

 今年の夏は記録的な猛暑日が続き、線状降水帯による水害や土砂災害などもあり、ただ暑いだけでなく心を痛めるニュースを耳にすることが多いですね。

 読者のみなさまも、熱中症対策や災害対策などを心がけて万が一に備えてください。

 さて、ラーメン業界と言えば近年、夏季限定メニューとして「冷やしらーめん」を提供するお店が増えてきました。

 昭和の頃は夏と言えば「冷やし中華」で、『冷やし中華はじめました』の幟が夏の知らせにもなっていました。

 ただ、時代と共にその人気は少し陰りを見せ、またこだわりをもってスープを作るラーメン専門店では冷やし中華を出すこと自体がかなり減ってしまいました。

 私個人としても、冷やし中華には何となくチープなイメージを持っており、スーパーで買って家で作っても、お店で食べても大差がない気がして、わざわざお店で食べることは殆どありませんでした。

 ところが、その冷やし中華が今年は少し盛り返すような兆しが見えています。

 私自身も改めてお店で提供されている冷やし中華を食べ歩いてみたところ、冷やし中華も進化していることに気づかされました。

 そこで今回は、武蔵野・多摩地区で食べられるオススメの冷やし中華をいくつか紹介いたします。

【らーめん愉悦処 鏡花 立川本店】

立川市柴崎町2-12-20

「富士山盛り冷やし中華」

 ベースは王道の冷やし中華的なものでありながらも、味わいは斬新なもの。

 冷やし中華にありがちなタレのキツさが一切なく、酸味が驚くほどに円やかでトロミを帯びた「飲み干せるタレ」と言った感じの深いコクと味わいがあります。

 漬物などオリジナリティ溢れる旬の食材の食感や風味なども楽しめ、従来の冷やし中華とは一味も二味も違った味わい。是非たくさんの人に食べてもらいたい逸品!

【らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵】

八王子市中町7-9

「王道冷やし中華 胡線盛り 自家製辛酸つけダレ添え」

 同じ「鏡花」ブランドでも、全く違ったアプローチの冷やし中華。

 甘酸っぱい王道冷やし中華の味わいを楽しみつつ、「つけダレ」という形でつけ麺風に楽しむことも出来るメニュー。

 辛味を加えた酢味噌のつけダレにつけて食べると全く違った味わいを楽しめ、更に終盤はこのタレをかけて元ダレとミックスさせることで、一杯で三つの味を楽しめる!

 糸のように細く切られたフワフワなキュウリのトッピングも圧巻!

【ラーメン 豚山】

武蔵野市吉祥寺南町1-2-2、町田市原町田6-20-3

「小冷やし中華」

 これぞ二郎系! と言った山盛りのビジュアル。

 ただ、通常の二郎系のようにボイルしたもやしとキャベツだけではなく、メインの野菜は千切りキャベツを主軸に紫キャベツやニンジンなども入ったミックスサラダ。背脂だけでなくガリマヨ(ガーリックマヨネーズ)がかけられていているので、サラダ感覚で野菜を楽しめます。

 濃厚なタレをまとった極太で力強い食感の麺、そして分厚いトロトロのチャーシューなどもトッピングされ、二郎系のジャンクさとサラダのヘルシーさを併せ持つ絶妙なバランスに仕上げたガッツリボリューム満点な一杯!

【中華料理 天龍】

青梅市師岡町3-19-1

「冷やし中華」

 醤油ベースで甘酸っぱい昔ながらのこれぞ「冷やし中華」といった味わいながら、ビラビラした特徴的な口当たりの平打ち中細麺が心地良い一杯。

 ハム・チャーシュー・小エビ・錦糸玉子・キュウリ・もやし・ミニトマトなど具沢山で、それらの風味や甘味などが甘酸っぱいタレの味と口の中で合わさることで最高のマッチングを見せてくれる!

【らぁ麺 はやし田】

国分寺市富士本1-1-1、武蔵村山市三ツ藤1-72-8、多摩市落合1-41-1、ほか

「日本一冷やし中華」

 「日本一醤油」の生揚げ醤油を使用。醤油の味わいを活かした甘酸っぱいタレの王道冷やし中華の味わいから、別皿のゴマダレを途中で投入することによってゴマダレ冷やし中華の味わいも楽しめる。

 一杯で二度美味しく、トッピングの皮付き鶏モモチャーシューにもオリジナリティが感じられる!

【立川マシマシ】

立川市錦町1-2-16 らーめんたま館内、国分寺市本町2-3-1

「すごい冷やし中華」

 甘酸っぱい王道なタレをベースにしながらも、上からたっぷりかけられたタルタルソースや焼肉から出るタレの味などが加わった他にはないパンチのある味わいで、合わせる麺も平打ちの極太麺でインパクト大!

 麺量は同料金で200g~500gまで選べるので、ガッツリ食べたい人にもオススメ!

【Ramen FeeL】

青梅市梅郷4-695-1

「FeeLの冷やし中華」

 黒酢を効かせたコクと甘みのあるタレに、小麦の品種を毎回変えて作られる自家製麺を合わせるという一期一会な味わいを楽しめるもの。

 麺の味わいや風味を活かしたオリジナリティ溢れる上質なもので、野菜が別皿になっているのも特徴的。麺も野菜もそれぞれの味をしっかり堪能でき、勿論合わせて食べても抜群の美味しさ!


 総じて言えるのは、昔は麺の風味のチープさが目立つイメージだったのが、麺のクオリティが上がったことでチープさがなくなり、それに合わせてタレや具材にもこだわりや創作性が出て、お店の色を出した味わいを楽しむことが出来るようになりました。

 今回紹介した以外にも、たくさんのお店で冷やし中華が提供されています。

 私のように従来の固定観念を捨てて、是非改めて冷やし中華を食べてみてください!

 最後になりますが、今回の第120回をもって「ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩」は終了させていただきます。

 2020年3月にスタートした当コラムですが、スタートしてすぐコロナ禍となってしまい、思うように食べ歩きも出来ない中での週刊連載は大変でしたが、大好きなラーメンやラーメン店を紹介するのは楽しく充実したものでした。

 わがままを言って昨年夏からは月刊連載という形に変えて今日までやらせていただきましたが、多忙のためにこれ以上続けていくのが難しくなってしまいましたので、大変心苦しいのですがここで一旦終了させていただきます。

 ご協力いただいたラーメン店の方々、連載コラムという機会をくださった担当編集者HさんをはじめとしたラーメンWalkerウェブスタッフの方々、そして今まで読んでくださった読者の方々、3年4ヵ月のあいだ誠にありがとうございました。

ZATSU

2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。

本人ブログ(https://zatsu-ke.blog.jp/

本人Twitter @zatsu_ke

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