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【小野員裕「魂のラーメン外伝」】第10回

1時間待っても心から満足できるつけめん としおか(東京・早稲田)

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 「としおか」のラーメンはいつ食ってもとことん旨い、心底満足させられる逸品だ。

 営業時間は11時~14時とたった3時間だけど、すべて一人でこなしているから仕方がない。店主の出勤は早朝の4時過ぎ、営業時間以外は、大量のガラでスープを炊き、自家製麺の仕込み、焼き豚、メンマ、味玉などの細かい作業を淡々こなす、それも夜8時半過ぎまで。いつも行列で、1〜2時間は待たされるけど、他店には真似のできないツルツルシコシコの中太麺と力強く奥深いスープの旨味を思い出すと、行列なんて我慢できてしまうのだ。

つけめん

 ある日の「つけめん」はボクのバージョンで、麺に少々の辣油を彩にして、別皿に焙煎唐辛子と焦がしネギをあしらってもらう。長い付き合いなので、こんなサービスをしてくれる。

 またある日、訪ねると10人ほどの行列、ラッキーだったけど、それでも50分は待った。

 「久しぶり」 「ああ、どうも。○○子さんそこにいますよ」 と店主の岡部君。

 「あれ~小野ちゃん、声でわかったよ」 と友人の○○子ちゃんが、奥のカウンターで醤油ラーメンを食べていた。タレント兼芸能事務所の社長もやっている飲み友で、成増「べんてん」の田中さんとも友達だ。

 今日はなんだか肉が食いたくて「つけチャーシュー」をオーダー。

 「チャーシューですか?」 「食べられると思う、並みでお願いします」

 ここのチャーシューはボリュームがあるので、ちょっと心配になって店主の岡部君が聞き返したのだ。

 20分ほどで「つけチャーシュー」の出来上がり。岡部君のはからいで辛味の唐辛子と麺にラー油、味玉をサービス。またチャーシューの量がハンパない。

つけチャーシュー

 「ヤバイ、チャーシュー半分にしてもらえばよかったな……」 つけ汁の中までビッシリのチャーシュー。

 スープを一口、相変わらず旨い。酸味、甘味のバランス最高。

 麺を浸してズルズル、やっぱメチャ美味しい、待った甲斐があった。

 チャーシューを一所懸命食べ続けるが減る気配がない、やっと完食しお腹パンパン。

 「美味しかった。また来るね」 「はい、ありがとうございました」

 しかしたった1人で仕込みをやっていて大変だな。3時間の営業だけど仕方ない。店主は名店「べんてん」で12年ほど修業した唯一のお弟子さん。かつての常連も足繁く通っている。「べんてん」から譲り受けた製麺機も健在だ。

「べんてん」田中店主から受け継いだ製麺機

 彼は「べんてん」の歴史に胡座をかくことなく、色々な食材を工夫して、新たな味を追求している。

 ※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。

〈店舗データ〉
【住所】東京都新宿区弁天町20 電話なし
【営業】11時~14時
【休日】日曜日
【アクセス】地下鉄東西線「早稲田駅」1番出口から徒歩6分

小野員裕 Kazuhiro Ono (大衆料理研究家)

 17歳からカレーの食べ歩きをスタート。以降、大衆料理研究家として早い時期からジャンルを問わず各メディアで情報発信。著書「魂のラーメン(プレジデント社)」はラーメンファンのみならず食に関わる多くの評論家やブロガーにも多大な影響を与えた。現在も1日1軒は食べ歩きの日々。

百麺人(https://ramen.walkerplus.com/hyakumenjin/

本人ブログ https://onochan.jp/

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