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【小野員裕「魂のラーメン外伝」】第12回

地元の超人気店「永楽」(埼玉県・熊谷市)賑やかな中華料理屋でいただくお酒とラーメンは最高!

LINE

「この店名、なんか記憶あるな」
「大井町の永楽と同じですよ」
「だよな。しかしこの店構えカッコイイよな」

 店内を覗くとえらい賑わっている。ホルモン焼き「水よし」の帰りでけっこう腹一杯だったけど突入した。

「いらっしゃいませ! 満席なので、座ってお待ちください」

 店内大きなコの字形のカウンター。30人ぐらい座れるかも。会社帰りのサラリーマン、カップルで埋め尽くされ、誰もが談笑しながらお酒を飲んでいる。ちょっとした居酒屋風情で、この店には華がある。また接客もきちっとしていて気持ちいい。

「お待ちどうさまです。どうぞ」

 カウンターに座ると、テーブルを挟んだ厨房では若いコックが餃子を包み、鍋をふるい、麺茹で、と超忙しい。見ているだけで楽しくなってきた。

「あの壁に貼りつけてある看板もカッコイイね」

「日本酒と野菜炒め、とりあえず下さい」

 日本酒でカンパイ。

「この永楽って大井町と関係あるんですか?」

 忙しそうだけど、コックさんに聞いてみた。

「ええ、かなり昔に大井町で働いていて、独立してここに来たみたいですけど、今はあまり関係ないようですよ」

 なるほど、暖簾分けか。

 「野菜炒め」は塩梅良く、野菜がシャキシャキで火の通りがいい。

「せっかくだから、ラーメンと餃子たのんでみるか」
「ですね」

 餃子はカリっとシットリ、かなりニンニクが効いていて旨いね。大井町の「永楽」にどこか似ているがやや小ぶりだね。

 そして「ラーメン」の登場。伝統の焦がしネギの絵姿、麺を持ち上げると中太の平打ちだ。

「ボリュームは少ないけど、このラーメン、やっぱ大井町と一緒だな」

 スープは香ばしく、キリっとエッジのたった味わい、シコシコでツルツルの麺も実に旨い。

「この店近所にあったら毎日通うな」
「オレもそうですよ」

 賑やか、華やか、活気に満ちている。お酒も楽しく飲めて素晴らしい中華料理屋だ。

 そうそう、勘定したら厨房に吊り下げてあるでっかいカゴからつり銭を出してきてビックリ。

 まるで昔の八百屋、面白いね。

〈店舗データ〉
【住所】埼玉県熊谷市弥生2-80 電話048-522-1865
【営業】17時〜24時30 祝日17時〜24時
【休日】水曜日
【アクセス】JR高崎線「熊谷駅」北口から徒歩5分

小野員裕 Kazuhiro Ono (大衆料理研究家)

 17歳からカレーの食べ歩きをスタート。以降、大衆料理研究家として早い時期からジャンルを問わず各メディアで情報発信。著書「魂のラーメン(プレジデント社)」はラーメンファンのみならず食に関わる多くの評論家やブロガーにも多大な影響を与えた。現在も1日1軒は食べ歩きの日々。

百麺人(https://ramen.walkerplus.com/hyakumenjin/

本人ブログ https://onochan.jp/

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