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名店の味を踏襲しつつ、創意工夫とユーモアを加えた新進気鋭の一杯 麺処 にしむら(大阪府・大阪市鶴見区)【大阪の麺スタグラマーによる「ラーメンの時間ですよ」】第12回

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 はいはーい、ラーメンの時間ですよ♪

 2007年に大阪市鶴見区に開店後、大阪のラーメンシーンを牽引してきた名店『鶴麺 本店』さん。その鶴麺さんが今年4月で閉店し、大きな驚きが走ったのは記憶に新しいところ。あの美味しさがもう味わえないのか…… と寂しさを感じていたところ、その地に5/1リニューアルオープンした『麺処 にしむら』さん。

 実は鶴麺の創業時から勤務し、鶴麺本店の店長を務めていた西村正悟さんが独立開業したお店。今回はこの『麺処 にしむら』西村店主を取材させて頂きました。

鶴麺から店舗を引き継ぎ、2020年5月1日に『麺処 にしむら』を開業

店主の西村正悟さん

 西村さん、居酒屋店員や喫茶店店長など今までいろいろな仕事をしてきたそうですが、以前はスタントマン志望だったとのこと…… え!

「ヌイグルミショーのキャストをやっていて、バク宙(後ろ宙返り)とかができるようになってくると楽しくてスタントマンになりたいと思うように」

 なぬ! ヌイグルミショーのキャスト!? 私も昔やってました! で、そこからしばらく戦隊ショーの裏話とかで盛り上がってしまいました(笑) しかしスタントマンを諦めたのはバク転(後方転回)がどうしてもできなかったからだそう。

「恐怖心がどうしても克服できなくて」

 わかりますわー! って自分はバク宙もバク転もできませんが(笑)

 そこからなぜ鶴麺さんで働くようになったのか? 元々は鶴麺が開業する前に営業していた居酒屋さんでアルバイトをしていたそうですが閉店することになり、鶴麺が新たに開店するためそのまま勤務することになったとのこと。そこから14年、鶴麺店主の大西さんが海外に拠点を移した後も店長として鶴麺をしっかりと支えてきましたが、年齢も考え独立したいという想いが日に日に増していき、大西さんや大家さんとも協議した結果、14年続いた鶴麺本店を閉店し、この地で独立開業できることに。

 そうして『麺処 にしむら』を開業し、新たなスタートを切った西村さん。実は苦手というSNSを駆使して日々情報発信していますが、これがけっこう話題に。というのも、他のお店のような単なる営業情報ではなく、歌あり振り付けあり笑いありの大阪らしいノリ!

「友人からSNSによる情報発信は絶対必要と言われた」とのことですが…… 苦手どころか楽しんでますよね(笑) 自身の似顔絵をスタッフ帽子やTシャツにしてますが、これもまた目を引くインパクトあるデザイン!

湯切りをする西村さんの背中には同じく湯切りをするイラストが(笑)

 今までの実績に加えてこういった新たな取り組みも評価されて(いるはず笑)、連日並びが絶えない人気ぶり。店内も西村さんを筆頭にとにかく楽しい雰囲気が醸し出され、居心地の良い空間。お店の《笑顔の先に麺がある》というキャッチコピーの通り、終始笑顔の西村さんに惹かれて通われるお客さんも多いでしょうね。

 鶴麺では自家製麺での提供でしたが、鶴麺の2号店であった『Tsurumen 大阪城北詰店』が立ち退きのため一足先に閉店(店長の深澤さんも独立し、蒲生四丁目に『ガモウスマイル』を開業)した際に、製麺機を置くスペースがないこともあり、京都にある『麺屋 棣鄂(ていがく)』製の麺に変更したそう。鶴麺は屋号に《麺》が付いているだけあってとにかく喉越しの良い麺が特徴でしたが、担当者と何度も協議し試作を繰り返しただけあり、納得できるものに。その浮いた時間を仕込みや家族との時間に費やしている、まさしくライフワークバランスですね。

 基本的な味は以前を踏襲しつつ、より自分の好みに近づけたそうで、以前からの常連さんも納得の味。ベースとなるスープは鶏と魚介のWスープ。鶏は黒さつま鶏と淡海地鶏の丸鶏、ガラ、ヘッドなどを使用。夏場と冬場で塩分濃度を変えており、夏場は塩分強めにするため煮干しをそのまま使用し、冬場は鰹を入れることで調整しているそう。最近は鶏と水のみのスープが流行しているものの、鶏だけだと旨味が直線的なので個人的にはWスープが好きという西村さん。豚チャーシューは、かごしま黒豚を使用。とにかく脂が美味しいんです。

 基本的なメニューは『醤油らーめん』『鶏白湯らーめん』『つけそば』それに『豚まぜそば』。どれも美味しくて訪問するたびに悩みます。

『醤油らーめん』+『半熟味たまご』。鶏と魚介のWスープがたまらなく美味しい

『鶏白湯らーめん』+『半熟味たまご』。口当たりが良く白湯なのに後味すっきり

『醤油つけ麺』。棣鄂製の喉越しの良い麺に、酸味のあるつけ汁の組み合わせが絶妙な美味しさ!途中で黒七味で味の変化を楽しむのも良し

 定番に加え、今の暑い時期におすすめなのが冷やしの限定! その名も『冷やし塩にぼしラーメン』。サブタイトルが『エビとホタテと野菜と私』。

 また面白いネーミングですが、とにかく美しく、そして美味しい一杯。

彩りも美しく、味も絶品な『冷やし塩にぼしラーメン』。この夏イチ推しの一杯

 「暑い日に涼しげに食べて頂けるよう塩ダレにし、生姜は最後まで味が残るようあえてみじん切りにしてみました。冷やしにチャーシューは合わないと思ったので、エビ、ホタテ、野菜などをトッピングしてみた」そう。

 ここ数年冷やしラーメンにハマっていていろいろと食べ歩いていますが、このクオリティの高さには脱帽です。しかもこれだけでも美味しいのにまだブラッシュアップを考えているとのこと! ちなみに夏季限定のため、9月以降の提供は売れ行き次第とのこと。食べたい方はツイッター(https://twitter.com/deppa_Nishimura)をチェックしてからお店にGo!(杯数限定のため売り切れる可能性があります)

 この他にも『カレーつけ麺』や『どて焼きまぜそば』などを限定メニューとして考えているそうでこれもまた楽しみ!

 新型コロナウイルスによる外出自粛ムードの中でのオープンでしたが、「以前からの常連さんやスタッフ、その他周りの人々に支えられてなんとかここまでこれました」と話す西村さん。これからの活躍に目が離せません。

<店舗データ>
【店名】麺処 にしむら
【住所】大阪府大阪市鶴見区鶴見5-1-9
【営業時間】11:30~14:00(土日祝~15:00)、18:00~21:00
【定休日】水曜日終日、火曜と日曜は夜営業休み
【最寄り駅】大阪メトロ長堀鶴見緑地線「今福鶴見」駅から徒歩7分

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式ツイッター(https://twitter.com/deppa_Nishimura)をご確認ください。

<ライタープロフィール>

 だいち Daichi

 大阪府在住。年間300食以上を食べ歩くラーメンインスタグラマー。普段はバイク移動をしており、美味しいラーメンを求めて気の向くままにラーメン店巡り。仕事柄出張が多いことから、Instagramには全国のラーメンをポストしている。

 本人Instagram @ramentimes
 Twitter @elground7s

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