百麺人・山本剛志の「語りたいラーメン店」 【第2回】青島食堂 秋葉原店

2020年02月20日 12時00分更新

 様々なラーメンが「トレンド」になる東京のラーメンシーン。ここ10年ほどで「豚骨魚介」「まぜそば」「鶏白湯」「家系ラーメン」「鶏と水」など、様々なラーメンが登場した。そんな中、最近話題を集めはじめているのが「生姜ラーメン」。都内で数店舗が誕生した他、人気ラーメンチェーンを運営する企業からも生姜ラーメン店が開店し、「最新トレンド」と言える状況になっている。

 生姜を乗せれば「生姜ラーメン」になるが、それが「おいしい生姜ラーメン」とは限らない。そんな事を考えながら、私は秋葉原に向かっていた。

 この日の目的地は「青島食堂 秋葉原店」。新潟県の「長岡生姜醤油ラーメン」発祥の店とも言われる店が、2009年に浅草橋駅と秋葉原駅の中間で開業。総武線各駅停車の車窓から一瞬見えるのだが、店頭に行列を成している時がほどんと。この日は雨が強めに降っていたが、やはり行列ができていた。

 店頭に着いて驚くのは、客席側の窓ガラスにシャッターが下りたままであること。実は開業以来、ずっとこの状態。開業当初「開店時に堂々と開店できる状況ではないからシャッターを下ろしている」との店側のコメントがネットで流れていた。その真偽は定かではないが、ここに並ぶ人達は、シャッターが下りていてもその味に期待を込めて待っている。なお、入口はこの左側にあって普通に入店できるのでご安心を。

 麺メニューは醤油味の「青島ラーメン」と「青島チャーシュー」の2種類。チャーシュー・ほうれん草・麺・メンマのトッピングは、量によって「50円」と「100円」の2種類がある。

青島ラーメン

 見た目で分かる通り、特に生姜を乗せているわけではない。しかし、豚骨と丸鶏を煮出したスープを口にすれば醤油と共に生姜の味がじんわりと立ち上ってくる。動物系素材の匂いを抑えてまろやかにまとめつつ、体の奥から温まるような味わいがある。スープに馴染んだ生姜を存分に楽しめて、生姜を使う必然性も理解できる。

 長岡で作って東京に運んでいるという、自家製中太麺のモチモチ感も楽しい。具を間につまみながら食べていると一気に完食。

 「生姜ラーメン」にもスタイルは様々で、そこに優劣はない。ただ、そんな中でも1963年の創業以来、半世紀を超えて人気を集め続ける味は、是非一度体験してほしいと思う。

山本剛志 Takeshi Yamamoto (ラーメン評論家)

2000年放送の「TVチャンピオンラーメン王選手権(テレビ東京系列)」で優勝したラーメン王。全国47都道府県の10000軒、15000杯を食破した経験に基づく的確な評論は唯一無二。ラーメン評論家として確固たる地位を確立した現在も年に600杯前後のラーメンを食べ続けている。

百麺人(https://ramen.walkerplus.com/hyakumenjin/

本人Twitter @rawota

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