武蔵野・多摩地区の「ラーメン二郎」6店舗を一気に紹介!【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第54回

2021年04月26日 12時00分更新

ガッツリ系の象徴的存在「ラーメン二郎」

 今回のオスス麺は、「ラーメン二郎」。

 いまやラーメン好きならば知らない人はいないと言っても過言では無く、そのガッツリしたボリュームやワイルドな味わいに感化されたラーメンを出すお店も多数あり、「醤油ラーメン」「塩ラーメン」「味噌ラーメン」「豚骨醤油ラーメン」「魚介豚骨ラーメン」「鶏白湯ラーメン」などと肩を並べる「二郎インスパイア系」という一つのカテゴリーとして確立されるほどになっています。

 昨今、あまりにも二郎インスパイア系のお店が増えすぎていて、名前は知っているけれど実際の「ラーメン二郎」は食べた事が無いという人も少なくないと思います。

 また、二郎インスパイア系を語る時に「二郎と比べると……」という表現を使われる事がよく見られ、私自身も時々使ってしまうのですが、実際には「二郎と比べると……」という表現には大きな語弊があります。

 何故ならば、「ラーメン二郎」はチェーン店でありながらチェーン店では無く、それぞれの店舗によって味わい・メニュー・スタイルが違うからです。なので、正しく表現するには「二郎○○店と比べると」というのが正しいのです。

 さて、その「ラーメン二郎」ですが、本店は三田にあります。

 元々は目黒の都立大学駅近くで「ラーメン次郎」として営業していて、三田に移転する際に大工さんが間違えて「二郎」としてしまい、面倒くさいからそのまま「二郎」という屋号になったという逸話があります。

 現在の「ラーメン二郎 三田本店」は慶應義塾大学の前にあり、「学生に安くてお腹いっぱい食べて欲しい」との思いから今のラーメンが作られ、慶應義塾大学の学生さんを中心に沢山のお客さんに愛されるお店で、「ジロリアン」と呼ばれる二郎をこよなく愛する人達には「聖地」と呼ばれているお店となっています。

 「ラーメン二郎」の看板を掲げるには、この三田本店での修業が絶対条件となっていて、現在は全国におよそ40店舗も構えるまでになり、武蔵野・多摩地区にも「仙川店」「八王子野猿街道店2」「府中店」「めじろ台店」「ひばりが丘駅前店」「立川店(休業中)」の6店舗があります。

 二郎インスパイア系が増えてローカルルールも浸透し、昔と比べて入り易くなりましたが、それでもまだ初めて行くのには緊張する…… という方も多いと思いますので、今回は武蔵野・多摩地区の「ラーメン二郎」各店の特徴などを紹介していきたいと思います。

 「ローカルルール」などと言うと特別な感じがしてしまいますが、基本的には一般的なラーメン屋さんと変わらず、食券を買って席に着いてラーメンを食べるという流れです。

 ただひとつ、「ニンニク」「ヤサイ」「アブラ」「カラメ(味濃いめ)」などの無料トッピングが用意されていて、その好みのトッピングを伝える方法やタイミングがお店によって違ったりするので、慣れていないと妙に緊張しちゃったりしますが、特に怖いお店という訳では無いので心配しなくても大丈夫です。

 今回紹介する武蔵野・多摩地区の「二郎」は、提供直前に「ニンニク入れますか?」とか「小ラーメンの方?」と聞いてくれてそこで増やしたいトッピングを伝えるスタイルとなっているので、「ニンニクだけ」「ヤサイアブラ」など増やしたいトッピングを伝えます。ヤサイはそのままでも結構のっているので、「ニンニク」もしくは「そのままで」と伝えると基本の状態を食べられます。

 慣れない時の緊張感は誰もが一度は通る道なので、それもまたラーメン二郎の楽しみのひとつだと思ってください!

 味は各店で違いますが、基本的には豚肉を主とした出汁にたっぷりのアブラが浮かんだこってりスープに、日清製粉の「オーション」という強力粉を使用した極太麺が合わさり、「豚」と呼ばれる分厚いチャーシューとボイルしたキャベツやモヤシがドッサリのせられるのが「ラーメン二郎」の特徴です。


ラーメン二郎 仙川店(東京・調布市)

京王線・仙川駅から徒歩2分

「ラーメン(ニンニク少なめ・ヤサイ・アブラ)」

 1995年10月のオープンで、二郎の支店の中でも古株のお店です。2004年に店主が他界され、当時働いていた方が継ぐ形で一旦三田の本店で修業し、2005年に再オープンという形で復活したお店。

 食券を先に買ってから並ぶスタイルとなっています。

 レンゲが置いてないので、スープは丼直飲みになります。

 「仙川ブラック」とも呼ばれる非乳化タイプの黒いスープが特徴で、ヤサイは然程多くないですが麺量や豚のボリュームには定評があります!


ラーメン二郎 八王子野猿街道店2(東京・八王子市)

京王相模原線・京王堀之内駅から徒歩10分

「小ラーメン(ニンニク少なめ・他全マシ)」

「小ラーメン+カレーんじゃね(ニンニク少なめ・ヤサイ・アブラ)」

 2000年8月にオープンしたお店。

 最初は、熊本ラーメンの人気店「分田上」の隣で「八王子野猿街道店」として営業を開始し、2006年に現在の地に移転した際に「八王子野猿街道店2」と屋号を変更しました。

 ドラマ「ラーメン大好き小泉さん」にも登場した事でも有名なお店です!

 食券を先に買ってから並ぶスタイルとなっています。

 「ラーメン二郎」のワイルドさを存分に味わえるお店で、スープの濃厚さやボリュームなどもトップクラス!

 多摩地区を代表する店舗と言っても良い存在でファンが多く、限定メニューやトッピングなどのオリジナリティも出していて、一般的なラーメンよりちょっと多め程度の「プチ二郎」も用意されているので、初心者の方にもオススメです!


ラーメン二郎 府中店(東京・府中市)

京王線・府中駅から徒歩3分

「小ラーメン(ニンニク少なめ・他全マシ)」

 2001年5月にオープンしたお店。

 最初の頃は「ラーメン二郎」とは思えない喫茶店のような雰囲気で、ラーメンのボリュームも穏やかな「異色の二郎」でありましたが、2006年5月に現在の地に移転オープンを機に「ラーメン二郎」らしいワイルドなものに変わりました。

 店内に入ってから食券を買うスタイルとなっています。

 スープは微乳化タイプでライトな部類ですが、ヤサイの盛りが良くて肉片も混ざったアブラが美味しく、なんと言っても二郎随一の極太麺が大きな特徴です!


ラーメン二郎 めじろ台店(東京・八王子市)

京王線・めじろ台駅から徒歩12分

現在の地に移転する前は「めじろ台法政大学前店」という屋号だった

「小ラーメン(ニンニク少なめ・ヤサイ・アブラ)」

「汁なしラーメン(ニンニク少なめ・アブラマシマシ)」

 2002年5月に「めじろ台法政大学前店」としてオープンし、2017年5月に現在の地に移転した際に「めじろ台店」と屋号を変更しました。

 店内に入ってから食券を購入するスタイルとなっています。

 ダンディで優しい親父さんのお店で、初期のスープは乳化タイプのまろやかタイプだったのが段々と微乳化寄りになり、シャープさが出てきた印象です。「アブラ」は現在は「黒アブラ」「白アブラ」の2種類が用意されていて、通常は味付けされた「黒アブラ」がのりますが、コールの際に「白アブラ」と伝えればオープン当初の「白い背脂」がかけられるのも特徴です!

 一般的なラーメンと同等サイズの「ミニラーメン」の他、「汁なし」「つけ麺」「つけ味(つけ麺の味のラーメン)」などメニューも豊富なので、気分によって選べるのが良いです!


ラーメン二郎 ひばりヶ丘駅前店(東京・西東京市)

西武池袋線・ひばりヶ丘駅から徒歩3分

「小ラーメン(ニンニク少なめ・ヤサイマシマシ)」

 2006年6月にオープン。

 市川海老蔵さん似のイケメン店主は、人柄も良く優しい接客。穏やかでやわらかな雰囲気が漂った二郎随一の居心地が良い雰囲気のお店。

 店内に入ってから食券を買うスタイルになっています。

 乳化度が高く円やか且つ濃厚なスープに、シャープな醤油感が合わさったバランス型で、麺やヤサイもボリュームがありつつも食べやすい仕上がりで、「少なめ」も用意されているので初心者でも安心して楽しめるお店!

 レンゲが置いてないので、スープは丼直飲みになります。


ラーメン二郎 立川店(東京・立川市)

JR立川駅から徒歩6分、多摩モノレール・立川南駅から徒歩5分(現在は長期休業中)

「小ラーメン(ニンニク少なめ・ヤサイチョイマシ・アブラマシマシ)」

 2008年4月にオープンしたお店。

 2014年に休業を知らせる貼り紙がされてから4年後の2018年に復活するも、2020年6月にまたもや長期休業に入ってしまいました

 そろそろ復活するかもしれないとの噂も耳にしますが、定かではありません。

 麺もヤサイもボリュームたっぷり!だけど、不思議とスルスル入っていく食べやすさがあるスッキリした味わいで、麺も比較的細めで口当たりも滑らかな印象。

 店主の気配りある接客がお店の雰囲気を和やかにしてくれていて、「麺少なめ」も用意されているので初心者にもオススメのお店! それだけに早く復活してほしいです!


ラーメン二郎 新小金井街道店(東京・小金井市)*閉店

JR武蔵小金井駅から徒歩15分の地にあったが、現在は閉店

「小ラーメン(ニンニク少なめ・他全マシ)」

 2018年に惜しまれながらも閉店してしまいましたが、個人的に凄く好きな店舗だったので最後に紹介させていただきます。

 2001年3月にオープン。店主は「八王子野猿街道店2」店主のお父様。 元々は「ラーメンショップ」として営業していましたが、息子さんが「八王子野猿街道店」をオープンすることを機にご自身も三田本店に修業入りし、「新小金井街道店」をオープンさせたという珍しいタイプ。

 「八王子野猿街道店2」よりも優しい作りながら、しっかりとしたボリュームもあるバランスの良い二郎を提供してくれていました。


 「二郎系」「二郎インスパイア系」と称したガッツリ系ラーメンを提供するお店が沢山増え、至る所で似たようなラーメンを食べる事が出来ますが、その理念は様々です。

 「ラーメン二郎」という看板を背負っている直系のお店は、味は個性を出して様々なものになっていますが、「ラーメン二郎 三田本店」の基本理念や精神をしっかり受け継いでいるので、インスパイアとはひと味違った「何か」を感じる事が出来ると思います。

 ガッツリ系の代名詞となっている「ラーメン二郎」。ボリュームだけでは無い病みつきになる味わいをぜひ一度……では無く三度ほど試してみてハマってもらいたい、オススメのお店です!

※InstagramやTwitterなど、SNSで「映える」写真を撮る為だけに食べられもしない大盛メニューや「ヤサイマシ」を頼む方もいるようです。「フードロス」も社会問題になっていますし、何よりも一生懸命作ってくださっているお店の方に失礼なので、最初は食べきれるサイズ(わからなければ一番小さいサイズ)のラーメンを頼むようにお願いします。

ZATSU

2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。

本人ブログ(https://zatsu-ke.blog.jp/

本人Twitter @zatsu_ke

この記事をシェアしよう

ラーメンWalkerの最新情報を購読しよう

PAGE
TOP