今や激戦区の三鷹を代表する名店 “貝”の旨味を堪能できる ラーメン 健やか(東京・三鷹)【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第58回

2021年06月14日 12時00分更新

激戦区・三鷹を代表する名店となった「ラーメン 健やか」

 今回のオスス麺は、近年良いお店が続々とオープンしている三鷹エリアから、三鷹駅北口徒歩7分ほどの立地にある「ラーメン 健やか」。

 綺麗なビジュアルやセンスある味で着実に人気を得て、現在は行列の出来る人気店となっています。

 ご主人は、26歳までは不動産会社の営業マンとして活躍していましたが、自分の気持ちに素直に「好きな事を仕事にしたい」という思いから、ラーメンの世界に飛び込ました。

 まず、多摩地区を代表する老舗家系ラーメン屋さんに就職し、その後は青梅にある魚介系の名店に移籍するも、これからというタイミングでご親族が亡くなり実家に帰る事を余儀なくされてしまい、一度はラーメンの道を諦めかけるも、やはり大好きなラーメンを諦める事が出来ずに今度は府中の大行列店にて修業を開始。現在ラーメン業界で大活躍しているメンバーが在籍しているお店だったこともあり、切磋琢磨してラーメン作りに没頭したとの事。

 そして、「自分でお店をやろう!」と決意し、物件を探している最中に三鷹の人気店「中華そば 向日葵」が求人しているとの話を聞き、物件が決まるまでの間この店にて働く事になりました。

 ここで得たものは多く、最後の修業先ということもあり、向日葵の店主の事は勝手に「師匠」と呼ばせて貰っているとの事。

2017年4月撮影、祝い花に囲まれたオープン当初の様子

 物件も決まり、2017年4月5日「ラーメン 健やか」として遂に独立店をオープンし、一国一城の主としてスタートを切りました。

 店名は、ご主人の亡きお父様の名前から一文字取って「食べていただくお客様に『すこやか』になっていただきたい」という願いも込めて、「ラーメン 健やか」にしたとの事。

「味玉 塩と貝のラーメン」

 お店の看板メニューは「塩と貝のラーメン」。

 オープン当初はホンビノス貝を使ったスープを前面に打ち出した「醤油と貝のラーメン」がメインとなっていましたが、現在は「塩と貝のラーメン」が推しとの事。

 スープも変化と進化を重ね、現在はホンビノス貝を使用せずにアサリを中心としたものに変え、オープン当初は使っていなかった丸鶏・牛骨・ガゴメ昆布などを加えて厚みのある味にしていて、他のラーメン屋さんでは使ってない食材をいくつか使用するなど、他では真似する事の出来ないこだわりのあるオリジナルな味に仕上がっているのが強み。

「チャーシュー二種 醤油と貝のラーメン」

 貝はしっかり旨味を出しながらもキツさが無く飽きの来ない味わいで、油分少なめであっさりしているのに慈味深い出汁の旨味を楽しめ、キリッとした醤油感を楽しめる「醤油と貝のラーメン」も間違いない味わい!

 「醤油」と「塩」は、豚肩ロースの低温調理、「煮干」は鶏ムネの低温調理とメニューによってチャーシューを変えていますが、「チャーシュー二種」や「特製」にするとその二つの味を楽しむ事が出来ます。

シンプルの極み!洗練されたルックスの「つけ麺」

 お店の一番のウリは? との問いに「自家製麺」とハッキリ答えてくれる自信作の麺を、最も楽しめるのが「つけ麺」。

「貝昆布水」が張られた麺丼

 麺は「貝昆布水」に浸かっていて、つけ汁の他に「宮古島の雪塩」も用意されているので、まずはそのまま麺だけを食べ、次に雪塩を少し付けて…… と順に食べると、国産小麦の香りと甘味のある麺本来の味わいを楽しめます。

 もちろん麺だけでも美味しいけれど、やはりつけ汁に浸けて食べるのが一番!素材の旨味や風味をたっぷり感じられるつけ汁と麺とが調和した味わいは絶品で、綺麗に盛り付けられた麺の啜り心地の良さや喉越しの良さを楽しみながら、あっという間に食べ終えてしまいます。

 麺を食べ終えたら、麺丼の貝昆布水をつけ汁に入れて「スープ割」も。

 醤油の濃さが薄れ、貝昆布の旨味が加わって美味しさが増します。更に割った後に温めて貰うことも出来て、熱々になったスープは最早別物とも思える味わいで、これが感動レベルのもの!

毎週月曜日は暖簾を変え、「裏健やか」の名で二毛作営業

二毛作ならではの振り幅を楽しめる「濃厚煮干」

 2018年2月5日からは、定休日である月曜日を利用して違うラーメンを提供する、二毛作営業の「裏健やか」もスタート。

 淡麗系の「健やか」で提供しているラーメンとは対極にあるような、煮干しをガツンと強烈に効かせたビターなラーメンも食べる事が出来ます。

「ウチのラーメンが今ここまで美味しくなれたのは、三鷹という地にお店を出したから」だと言うご主人。

 4~5年前はラーメン不毛の地と言われていた三鷹エリアが、「麺屋 さくら井」「鶏こく中華 すず喜」「くじら食堂 bazar」「鶏そば 山もと」などの“名店”と呼ばれるお店が続々とオープンして激戦区になっていく中、なんとか生き残る為には必死で努力するしか無く、身近にライバルが沢山居る事こそがご主人の成長する糧となりました。 特に「さくら井」店主の桜井さんとは飲みに行って色々と議論を重ね、お互いを高め合う良い関係となっていて、ライバルであり大切な友人でもあるとの事。

 色々なお店を渡り歩き、沢山の人との繋がりや関係性によって現在のご主人が在り、その経験や人間関係を糧に、これからも進化し美味しいラーメンを作り続けて、お客さんを“健やか”にしてくれるオススメのお店です!

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式ツイッター(https://twitter.com/ippeiramen)をご確認ください。

ZATSU

2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。

本人ブログ(https://zatsu-ke.blog.jp/

本人Twitter @zatsu_ke

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