ラーメンWalker発！「未来を輝かせるラーメンストーリーズ」第3話

愛媛産のみかんと真鯛のコラボラーメンで産地応援とSDGsを実現！

2022年02月01日 12時00分更新

　ラーメンWalkerがテーマを決めて名店店主とともに新たなラーメンをお届けする企画。1月22日～1月24日は「真鯛らーめん麺魚」橋本店主との第三弾として「愛媛産みかんと真鯛のコラボラーメン」をラーメンWalkerキッチンで提供した。

　今回、ラーメンの顔としてメインに掲げたのは愛媛のみかん。麺魚お馴染みの真鯛が愛媛県宇和島産ということがあり、愛媛の名産のみかんと真鯛をひとつのカタチとして創り上げることで産地応援の一杯とならないか？と橋本さんに提案したところ、快諾。そうして作り上げた一杯は、予想を超える完成度で、愛媛を盛り上げる新たな魅力にあふれていた。

　麺魚と言えば、愛媛県宇和島産の真鯛のアラから旨味を凝縮した100％真鯛出汁のラーメンで一躍有名になった店だ。そのアラは鮮魚加工業者が通常は捨ててしまうところ。そこに着目した橋本さんが大量に仕入れて、自店のラーメンに生かしている。今回、コラボで扱う愛媛産みかんも丸ごと皮まで使うことにこだわった。

橋本　最初は油そばにみかんの果汁をかけて… といったことも考えていたんですが、もっと愛媛のみかんの魅力が前面に出てくるようなラーメンがいいなと。それでみかんを丸まる一個以上使った今回のラーメンになったんです。見た目は、酢橘やレモンを輪切りにして載せた冷製の麺のイメージで、冬に合うようにおでんの具にあるみかんから発想して温かいラーメンに仕上げました。

「愛媛産みかんと真鯛のコラボらーめん」1100円

橋本　愛媛産のみかんは糖分が高く、とても甘いんですね。それに負けないバランスで真鯛出汁の塩ベースでスープを作ってます。みかんに火を通してしまうと、果汁がスープに溶けてしまうので、最初からみかんと鯛の味が混ざった複雑な味になってしまうかなと。トッピングとして上にのせて、食べるときにあとからじんわり果汁が出てくるように設計してみました。

―みかんと温かい真鯛スープがすごく合います！果肉の甘みと皮の苦味のバランスが絶妙で。

橋本　そこが皮を入れた理由のひとつです。皮はマーマレードなどでもよく使われているので、そのイメージがまず浮かびましたね。あと塩味だけでなく、皮の苦味でも甘さのバランスをとれるようにして。せっかくのコラボなので、どちらの魅力も引き立つことを大切にしました。

スープに浸して温めたるとみかん甘さが際立つ

―チャーシュー巻きみかんもラーメンの具としてアリ！とても美味しかったです。

橋本　生ハムメロンのアレンジですね。ラーメンWalkerの松本さんが味だけではなくラーメンファンを驚かすインパクトも必要じゃないかとヒントをくれて。チャーシューの塩味とみかんの甘さで、ショッパ甘いトッピングとなり、組み合わせ的なインパクトも演出できました。

チャーシューの包みを開けるとみかん一房。ラーメンの具として斬新！

　みかんの皮にはよい効果も。通常、捨ててしまう皮の部分には、花粉症の症状を和らげるノビレチンという成分が多く含まれている。鯛にも不飽和脂肪酸のDHAとEPAが豊富に含まれているので、愛媛の産物を掛け合わせたラーメンは花粉症のこの時期にぴったりな一杯となった。

橋本　また、2月に愛媛へ養殖の本鮪とか限定で使う鮮魚の仕入れに行ってきます。その中でみかんの皮を食べさせている「みかん鯛」というのがあるんですよ。「みかん魚」というブランド鮮魚で、他にも鰤やサーモンにみかんの皮を飼料に混ぜて食べさているそうです。

　全国有数のみかんの生産地・愛媛では、特産のみかんジュースの生産の際、大量に廃棄される搾りかすが問題となっていた。そこでみかんの搾りかすを養殖魚に与えて有効活用する「みかん魚」プロジェクトが始動。

　さらに品質にもよい効果が。みかんの皮に含まれるリモネンという成分が、魚特有の生臭さを軽減し、ほのかに柑橘の香りがするという。今まで魚が苦手だった人にも好評だ。ポリフェノールも豊富なので、身の変色を防いで鮮やかな赤色を保ち、通常の養殖魚より長持ちすると言われている。今では「みかんブリ」「みかん鯛」「宇和島サーモン」など、続々と「みかん魚」ブランドが生み出されている。