ラーメンWalker発!「未来を輝かせるラーメンストーリーズ」第1話

真鯛にこだわるラーメン店主が「七草粥」を高級魚介でアレンジした「七草(具)らーめん~麺魚スタイル~」に挑戦した理由

2022年01月25日 12時00分更新

 2022年、「ラーメンWalkerキッチン」は混沌とした時代を明るく輝かせるテーマを掲げ、名店店主がテーマにそったラーメンを作り上げる企画が始動!

 先頭切って出店する「真鯛らーめん 麺魚」の、新年を飾るラーメンのテーマは「七草粥」。七草粥は、正月のしめ飾りや門松を外す松の内の最終日1月7日、五節句の一つ「人日の節句」に頂くもの。七草粥を食べて邪気を祓い、一年の無病息災を祈る。粥に入れるのは、せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ、春の七草。冬に不足しがちなビタミンCを補ってくれる七種の草を入れた胃腸にやさしい粥は、昔から健康食として親しまれてきた。

 店主の橋本友則さんが、その「七草粥」を麺魚らしく高級魚介で大胆にアレンジした「七草(具)らーめん~麺魚スタイル~」を創作。ここでしか食べられない新春の限定をどのように作られたのか、早速、橋本店主に直撃した!
※こちらのラーメンの提供期間は終了しています

「真鯛らーめん 麺魚」店主の橋本友則さん。新年からパワフル!

―七草粥を魚介らーめんに置き換えるというのは、麺魚ならではですね。

橋本 最初に「七草粥」というテーマを伺った時から、七草を使ってラーメン作ろうと思うことは一切なかったんです。麺魚といえば、やっぱり草じゃないなと。草を使わず、店の特徴である魚全般、旬の魚介類を使って、七草と同じような意味合いを持つラーメンを作ろうと思ったんです。まず、麺魚といえば真鯛ですよね。店で使っている真鯛をスープに、その白子も使ってます。あとは生でも食べられるお刺身用のゴマフグ、カキ、フカヒレ、ベビーホタテ。シーフード以外には、生姜とネギを入れて、これで麺魚の七種(ななくさ)らーめんです。

真鯛の白子、ホタテ、フカヒレ、ゴマフグ、カキ、生姜、ネギ、麺魚の七種

―産地にもこだわりが?

橋本 食材はすべて国産でそろえています。地域活性プロジェクトとして、ラーメンで地域を盛り上げていこうという意図もあります。真鯛は店でいつも使っている愛媛県宇和島で、ベビーホタテは北海道、カキが広島。フカヒレは宮城県気仙沼や鹿児島と全国津々浦々に産地があって、そこから吉切鮫だったり、毛鹿鮫だったり、様々な鮫のヒレを集めました。具は全部奇数でそろえるという、個数にもこだわって。割り切れない数で縁起を担いで、カキが1カット、白子が3カット、ベビーホタテが7カット…という具合です。

―それも新年にふさわしいこだわり! 無病息災を祈り、健康に配慮して効能も考えられてますよね。

橋本 真鯛の白子はビタミンD、ホタテはミネラル、フカヒレはコラーゲン、ゴマフグは疲労回復、カキは滋養強壮…と。七種の体によいものを取り入れて一年間健康になるっていう、健康を考えたらーめんです。

「七草(具)らーめん~麺魚スタイル~」2,000円。提供は1月14日で終了済み

―生姜に餡かけと寒い冬に汗だくになるくらい(笑)、身体も温まりました。それも健康面を考えて?

橋本 実は、餡かけにしたのは、具にフカヒレがあったからなんです。サラッとしたスープでは、どうしても具材が沈殿していくので、沈まないようにと。それと今回、油を使ってないんです。油がないとラーメンって物足りなさを感じるじゃないですか。その分、出汁をしっかりと濃厚にして、餡かけにすれば、油オフでも物足りなさを感じないんですよ。餡かけの片栗粉も国産、北海道ですね。

シーフードのエキスを抽出して生姜でキリッと。餡かけにすることでフカヒレやカキなど具が沈まず、身体もポカポカ

麺魚と同じ北海道産小麦100%の石臼挽き全粒粉入り細麺。餡かけ効果でいつもと違う食感なのが、逆に新鮮

―真鯛はもともとお店で扱われているものですが、他の魚介はどのように選んだのですか?

橋本 他の食材もフカヒレ以外は店の限定で出したことがあって。ゴマフグのらーめんとか、カキらーめんとか。今回、それらの食材が一つにまとまったらーめんというのが、初の試みです。

―確かに、お店では真鯛100%と一つの食材にこだわった一杯ですよね。

橋本 僕がなんで素材100%にこだわっているかというと、たとえば僕がそれまで鯛ラーメンって謳っているものを食べても、鯛の味がわからない。実際、何を食べてるかわからないものが多かったんですね。僕ならお客さんにも、はっきり素材本来の味を知ってもらいたい。「鯛食べたよ」って人にも言えるようならーめんを作りたかったんです。麺魚では、「これは鯛の味です」っていうわかりやすい味を出したくて、鯛と塩と水だけで作ってます。

―限定も本鮪100%、カキ100%と素材をこれでもかっていうくらい感じるものばかりですよね。今回、いつもと真逆な作りですが、悩まれたのでは?

橋本 実は一日で作ったんです。しかも、ここで、5分で仕上げたメニューなんですよ(笑)。まあ、作るまではプレッシャーでしたけどね。年明けからのメニューだと、年末年始は市場がお休みなのでなかなか食材を集められないですし。こういう味にしようってコンセプトを決めて、12月中旬には食材をすべてそろえておいて、それをイメージしながら作ったらうまくいきました。

できあがりをイメージしながら試作。最後は一発で完成!

―真逆の中にもちゃんと麵魚らしさがあって、お店では食べられない、ここにしかないらーめんというのも魅力ですね。

橋本 そうそう、常連さんが、わざわざ食べに来てくれて。嬉しいですね。今回、僕の得意なシーフードを全国から集めて地域も盛り上げつつ、健康にもよく、縁起のよい、みんなが元気になるらーめんを作りました。コロナで大変な状況は続きますが、新しい挑戦を通してラーメンで日本を少しでも盛り上げていけたらいいなと思いますね。

健康にも縁起もよい麺魚の七種らーめんで、日本を元気に!

真鯛らーめん 麺魚
東京都墨田区江東橋2丁目8−8
パークサイドマンション
11:00~21:00 無休

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。臨時休業など、詳しくはお店の公式ツイッター(https://twitter.com/1pnZ4nuD32cWMvP)をご確認ください。

ラーメンWalkerキッチン

埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3-205
04-2968-7786
JR武蔵野線「東所沢」駅徒歩10分
https://ramen.walkerplus.com/kitchen/

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