ラーメンWalker発!「未来を輝かせるラーメンストーリーズ」第20話

ブランド豚の魅力を最大限に引き出した新チャーシューをプレミアムラーメンで味わう。埼玉凱旋『カネキッチン ヌードル』リニューアルの味を一番にお届け!

2022年07月12日 12時00分更新

 ラーメンWalkerがテーマを決めて名店店主とともに新たなラーメンをお届けする企画。2022年7月13~18日は、国内外の数多の賞を受賞してきた『カネキッチン ヌードル』が初出店! 間借り時代は埼玉で営業していた埼玉出身の店主・金田広伸さんが凱旋出店とあって、大勢のファンが待ち望む。「『肉』の魅力をラーメンで味わい尽くす!」をテーマに、肉を徹底的に研究して作り上げたブランド豚チャーシューとリニューアルしたラーメンを、一早く埼玉にお届け。こだわりの肉とラーメンのリニューアル制作秘話を、金田店主のラーメンヒストリーとともに伺った。

『六厘舎』で衝撃を受けたラーメン道。年間500杯を食べ歩き、叶えた夢

 金田さんといえば、40代半ばで『カネキッチン ヌードル』を開業してから、わずか数年で世界的ガイドブックなど国内外で数々の賞を獲得した、遅咲きのオールドルーキー。ラーメン界に入るまでは、大手自動車メーカーに勤めていた。そんな金田さんを、車を作る仕事からラーメンを作る仕事へと導いたのは『六厘舎』だ。テレビで旧大崎本店の行列映像を見て、食べに行ったところ衝撃を受けたという。たまたま自宅近くに『六厘舎』の工場ができたことで入社を決意。6年半の長い『六厘舎』時代、少しずつ店舗も増えて会社として確立してきた頃から、独立を考えるようになった。退職する頃には勉強を兼ねて特に清湯系のラーメンを食べ歩き、年間500杯に及んでいた。

「店を出すなら『六厘舎』とは真逆の清湯で勝負しようと思ったんです。例えば、『六厘舎』を踏襲した味を店長だった瀨戸口さんが『つけめん さなだ』で出すならいいんですよ。俺がそれをやっても二番煎じ三番煎じだし、その土俵では勝負しない。自分の実力で1からやりたかった」と金田さん。数々の有名店を食べ歩き、錚々たる名店店主たちからアドバイスをもらいながら、朝霞の『まーむ食堂』で間借り営業を始める。

間借り営業時代の「醤油らぁめん」

 最初は月1営業から始めた間借りも週2営業に増え、最後の6か月間は広い店内に人が押し寄せ順番待ちができるほど評判に。2016年9月で間借り営業を終え、同年12月12日に東長崎に待望の路面店をオープンした。

西武池袋線東長崎駅南口から徒歩2分。マチテラス南長崎の2階。店前には待ち席を用意

 天井までの空間を広くとったおしゃれな店づくりは、当初話題を呼んだ。それは「お客様目線ファーストを目指したから。いまの時代、女性が一人で来れるような、広くて綺麗で清潔でっていうのは絶対条件だと思って」と金田さん。ラーメンを食べる空間にも心を配った。

スタイリッシュな店内。客席と厨房が高い壁で仕切られ、ソーシャルディスタンス確保にもよい効果が

 いまも人気の高い「昆布水の淡麗つけめん」は、名店の中でも金田さんの指針となる店、湯河原の飯田商店オマージュだ。飯田商店が全リニューアルする前のつけ麺を自分のフィルターを通して提供してきた。「お客さんで飯田商店を知らない人も多かったから、美味しい昆布水のつけ麺を食べてもらいたかった。うちで食べて知ってくれたら、飯田商店に行ってくださいっていうきっかけ作りでいいと思って」。尊敬する諸先輩の影響を受けながら、着々と力をつけていった。

女性に人気のメニューとして定着した「特選昆布水の淡麗つけめん(塩)」

さらに極めたブランド豚チャーシューをラーメンWalkerキッチンで初披露

 ラーメントータルとしての完成度の高さは言うまでもないが、チャーシューの美味しさは特筆もの。多くの方が、特製らぁめんやつけめんと一緒に特製トッピングも注文するという。「それぞれのお店で個性はあるけど、うちが他と違う、一番こだわってるのは肉」と金田さん自身も言うほど絶対の自信がある。

ある日の特製注文に追加した特製トッピング。そのまま食べても、ビールのつまみとしても人気

 2~3年ほど前、大きく食材が変わったのは、生産地にも足を運び扱うようになった「丹波黒どり」から。チャーシューの作り方をオーブンから吊るし焼きに変えたのもこの頃だ。実力がついてきたことで、作り方もレベルアップしていった。

三元豚と鴨ロースの吊るし焼きチャーシュー

 今回、ラーメンWalkerキッチン出店でテーマに掲げたのは「肉」。そこに合わせて、メニューをリニューアルするという。これまでのチャーシューに加えて、岩手のブランド豚「岩中ポーク」をレギュラーメニューに加えた。

「以前から限定では岩中ポークを使ってきたけど、レギュラーで使うような価格ではなかった。いま円高で海外の豚肉と変わらなくなってきて、それでも高価な食材ではあるけど射程圏に入ったなと。もう一つは、豚の脂が美味しいっていうのを知ってほしいからです。豚の脂って敬遠されがちじゃないですか。焼き肉のホルモンやトンカツの脂は美味しいって言われるけど、なぜかラーメンのチャーシューについてる脂は残される。いい肉は、脂が旨いんですよ。それを知ってほしくて岩中ポークに変えたんです」

岩中ポークのチャーシュー。しっとりと柔らかな肉質で、噛むと閉じこもった脂の旨味が出てくる

 美味しく食べてもらうために、調理のブラッシュアップも積み重ねてきた。現在のチャーシューは、低温調理と吊るし焼きのハイブリッド。そうすることで肉があまり縮まらず柔らかいまま、表面は吊るし焼きで香ばしい焼き豚的な状態に仕上がる。「岩中ポークは通常の豚肉より脂がきめ細かいから、焼き加減をさらに調整しました」。

スープもブランド豚で一新! レベルアップで原点回帰したラーメン

 チャーシューだけでなく、スープも岩中ポークを使って一新した。「これまでの鶏と水だけでとったスープとは別に岩中ポークのスープをとって、それを香油のように加える感じですね。実は、開店した頃のスープには豚が入ってたんですよ。だから、元に戻った。しかも、いま出せる最高の技術で原点回帰したんです」。

「醤油らぁめん」。美味しい岩中ポークの旨味を鶏水スープに加えた一杯

岩中ポークをスープにもチャーシューにも贅沢に使った「岩中ポークのプレミアムチャーシューめん」

 「塩らぁめん」は、スープのベースはそのまま、塩ダレを変えている。これまでは牡蠣と帆立をベースに昆布や鰹節を合わせていたところ、新たに浅蜊を追加して、よりコク深く濃厚なスープになった。

「塩らぁめん」。全体的に海の食材を深めたリニューアル

 スープがコク深く、より強くなったことで、麺も三河屋製麺と開発を進めてリニューアルした。「啜り心地と食べ応えを重視して、これまでの細麺から少し太めの全粒粉入り麺にしました。つけ麺用の麺も同じで、温めても冷やしても美味しい麺なんです」。つけ麺として啜った時、昆布水との一体感もさらによくなったと金田さん。

 オープンから5年経ち、ブランド豚を活かせるような環境が整ったことでの今回のリニューアル。それを「一番に埼玉で披露するのは気合が入ります」と金田さん。実は、ビジュアルも原点回帰している。しかし、同じように見えて同じじゃない。味わっていただければわかるだろう。

「気軽に足を運んでもらって、懐かしい方々にいまの自分のラーメンを食べてもらえるだけでうれしいです。ぜひ感想を聞かせてください」

 これまでもこれからも方向性は変わらない。その時その時を順番に進んできて、やっといまが来ただけと、淡々と語る金田店主。いま最高の集大成を最初に埼玉へ伝えたいという、店主の意気込みごと味わってほしい。

カネキッチン ヌードル(KaneKitchen Noodles)
東京都豊島区南長崎5-26-15 マチテラス南長崎 2F
木~火 11時30分~15時 18時~21時
水曜定休(その他連休あり)

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。臨時休業など、詳しくはお店の公式ツイッター(https://twitter.com/freedam99999)をご確認ください。

ラーメンWalkerキッチン
埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3-205
04-2968-7786
JR武蔵野線「東所沢」駅徒歩10分
https://ramen.walkerplus.com/kitchen/

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