

ラーメンWalkerがテーマを決めて名店店主とともに新たなラーメンをお届けする企画。2022年12月27日~29日は、ラーメンWalkerキッチンで2年間、100名近くの人気実力店主のもとで腕を磨いた、藤橋達也店主がチャレンジ店主として登場! 今回、卒業にあたって作り上げたのは、これまでの集大成ともいえるラーメンだ。キッチンの2年間や2023年4月開業予定の『らーめんKITAHACHI』など、藤橋店主のラーメンヒストリーを伺った。

ラーメンWalkerキッチンから生まれた、ラーメン史上初の店主
藤橋達也さんは、これまでラーメンWalkerキッチンの出店を陰で支え、ラーメン店店主たちから信頼の厚い人物だ。ラーメンWalkerキッチンファンなら、彼が働く姿を目にしたことがあるだろう。 そんな藤橋さんが、ラーメン修業を始めたのは名店『中華そば 青葉』。2015年から八王子店、府中店で計6年半ほど研鑽を積み、独立を考えていた。しかし、ちょうどラーメンWalkerキッチンのチャレンジ店主募集を知った同僚から、一緒に受けないかと誘われた。「自分の力試しみたいな感じで受けたら、書類が通ったんですね。よく考えたらこういうコンセプトなら、いろんなお店の勉強もできるし、もともと新店舗の立ち上げもやりたかったんです」。そこで藤橋さんは、「ここで働かせてください!」と頼みこんだ。
ほどなく1か月の試用期間をもらった藤橋さんは、ラーメンWalkerキッチンのオープンから次々と入れ代わり立ち代わり出店する名店のサポートに、専属調理スタッフとして入ることになった。
「2021年11月オープン初日の『麺や七彩』店主の阪田さん、『真鯛らーめん麵魚』店主の橋本さんからも人手が欲しいってことで入って、その後、『我武者羅』の蓮沼さんからは、ホールのスタッフの教育で入らせていただいて、結局3月の『饗 くろ㐂』の黒木さんまで、実力店の方々の知識や技術を学べて本当に勉強になりました。もうあっという間で1か月どころか4か月経っていて、ここまできたらスーパーバイザーを1周しようという話になって(笑)。まずは1年間やってみることになったんです」と、藤橋さんは当時を振り返る。そうして何度も出店する店主たちから、藤橋さんを指名する声がかかるほど、なくてはならない存在になっていった。

2年目からは自分の時間を作り、2022年7月には埼玉県の小川町に店舗物件も押さえた。「開業準備をしながら、小川町にある友達の店で間借り営業も始めたんですが、僕のラーメンを知ってもらういい機会になりましたね。この辺に住んでる方がどういうラーメンが好みか、リサーチも兼ねて、これまで5回営業しましたが、5回とも違うラーメンを作ったんです。どれも皆さん美味しいって喜んでもらえて、回を重ねるごとに手応えを感じるようになりました」。こうして一歩一歩、着実に積み重ねた努力が、とうとう発揮される時がきた。
数々の名店店主のもとで知識や技術を学び、待望のキッチン出店!
2年間、ラーメンWalkerキッチンで研鑽を積んだ藤橋さんは、2022年のラストを飾る出店チャンスを得た。2023年4月開業予定である『らーめんKITAHACHI』の名を掲げて、厨房のメインに立ったのだ。「年越そば」のテーマから、作り上げたのがこちらの「中華そば 醤油」。

スープは、はかた地鶏、豚の背ガラ、節・乾物など3つの寸胴で焚き上げたスープを合わせて、バランス良くまとめた。年越しのテーマに合わせてスープや具材などに蕎麦テイストを盛り込みつつラーメンらしさも出し、無化調ながら最後まで旨味あふれる味わいだ。
「短冊メンマを割いて、5日ほど塩抜きと水替えをして味付けしたメンマの仕込み方は、もともと青葉のやり方なんです」と、藤橋さん。さらに八王子出身ということで、程よく辛味を残してさらした刻み玉ネギもトッピング。提供ごとにレンコンの磯辺揚げを揚げる姿も落ち着いていて、しっかり身につけた技術で作り上げたラーメンは、スープもどの具材も確かな仕上がり。

もう1杯は、20年来の友人のカレー店『CURRY&NOBLE強い女』とのコラボラーメン。7月から間借り営業でラーメンを提供してきたのも、こちらのカレー店だ。

「豚のゲンコツや背ガラをじっくり炊いた豚骨スープは僕が作って、特製スパイスとチャーシューを『CURRY&NOBLE強い女』に提供してもらいました。まずは、僕の豚骨ラーメンを食べてもらって、途中で特製スパイスチャーシューを加えて味変みたいな感じですね」と、藤橋さん。豚骨ラーメンといえば紅生姜やニンニクなどが定番の味変だが、スパイスチャーシューという変わり種の味変で来客を驚かせた。

未来のラーメン店主のデビューを、スーパーバイザーも応援!
出店前日、急遽スーパーバイザーによる試食会が行われた。最終審査ともいえるような雰囲気に、緊張した面持ちの藤橋さんだが、手際よくラーメンを仕上げていった。


食べ終えた蓮沼店主は、「無化調で、旨味と香りを引き出すように、よくここまで作りこんだね。小技が効いたレンコンの磯辺揚げも、十分揚げたことによって青海苔が染み出して、食べてる途中にその香りがパッと広がって鼻に入ってくるから、テーマである蕎麦っぽさを感じてすごくいい。あとは麺。もうちょっと滑らかか細かったら、スープの味が乗って来ると思うよ」と評価とともにアドバイスを添えた。

佐野しおり店主も、「無化調なので、最初にガツンとしたインパクトはなく、薄いのかなと思って食べ進んでいくと、最後までちゃんといい出汁感が出ていたと思います。ひとつ残念なのは、麺。中華の要素も出したいというのであれば、もうちょっと麺とスープの絡みが欲しいなと思います。それは、茹で時間をもうちょっと長くするのか、加水を増やしたくなければ、粉なのか、何なのか、自分の好みとかやりたいことを、自分で決めるべきです。製麺屋さんにお願いするにしても、いろいろ勉強して、わからなければ聞く。そういう思いは伝わるので、自分の思い通りの麺にも、美味しい麺もできるんです。製麺屋さんと仲良くするために勉強しておいたほうがいいですね。でも、たっちゃんは、もっと武骨な人かと思いきや、すごく繊細で美味しいラーメンで、ホッとしました」と、厳しくも優しい言葉をかけた。
「たっちゃんがいなければ、苦しかったこともたくさんあって、かなり助けてもらいました。癖のあるラーメン店主が多いなかで、入れ代わり立ち代わりやっていくのは大変だったでしょう。そんな努力が実を結んだと思います」(蓮沼店主)
「たっちゃんには、ここに出店する度に助けてもらって、すごく感謝しています。素晴らしい店主さんたちの近くでラーメンを見てきたので、これからたっちゃんのラーメンに生かして、お客様に喜ばれるようなラーメンを作ってください」(『麺屋ようすけ』田邉店主)
「ここに出店する時は、いつもたっちゃん指名で、2年間本当によくやってもらいました。卒業は寂しいですけど、明日からは逆にライバルなので、めちゃめちゃ応援してます」(宮田店主)

最後は、ラーメンWalkerキッチンを卒業して独立する藤橋店主に、スーパーバイザーたちからたくさんのエールが贈られた。

開業予定の店の名は『らーめんKITAHACHI』。戦後から藤橋店主の父の家系が飲食業を営み、その屋号が『喜多八』という。屋号を引き継ぎ、伝統や文化を残したいという思いが込められている。「小川町という有機農業が盛んな街だからこそ、スープはできるだけ化学調味料を使わずに、素材本来の味で勝負したいと考えています。目指すは、毎日食べて飽きないラーメン屋です」と、藤橋さんは決意を新たにした。
2023年4月には、「ラーメンWalkerキッチン出身」という大きな看板を背負った、新たなラーメン店主が誕生する。それは、自ら作り上げたラーメンで独立開業を目指す人たちの指針となるだろう。ラーメンWalkerキッチンでは、藤橋店主に続く、新たなチャレンジャーを募集中だ。

らーめんKITAHACHI 喜多八
埼玉県比企郡小川町腰越177-1
2023年4月開業予定
https://twitter.com/ramen_kitahachi
ラーメンWalkerキッチン
埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3-205
04-2968-7786
JR武蔵野線「東所沢」駅徒歩10分
https://ramen.walkerplus.com/kitchen/