4度目となる緊急事態宣言が東京都で発令され、東京オリンピックもほぼ無観客開催になるなど、まだまだ先の見えないコロナ禍にあります。
特に飲食業は苦しい思いをしているお店が大多数です。
例年に比べると新規オープンのラーメン店も減ってはいますが、このコロナ禍でも高い志を持って開業したお店があります!
今回の「オスス麺」は、前回に引き続き武蔵野・多摩地区で今年上半期にオープンした新店の中から注目のお店を何軒かピックアップし、2週に渡って紹介する「上半期注目の新店」特集。
紹介したくてウズウズしていた新店が目白押しの「後編」です!
【麺処 しんすけ@福生】
サラリーマンから某有名カレーチェーン店に転職し、ひょんな事から背脂チャッチャ系の老舗「江川亭」の社長と知り合い、「江川亭」に所属した後に独立という異色の経歴を持つご主人が、5月19日にオープンさせたお店!
「江川亭」出身とは言っても実際は修業した感じではなく、ラーメンに関しては独学で作り方を覚えたとの事で、「江川亭」とは全く違ったラーメンを提供。
動物系を主体とした「中華そば」、魚介を主体とした「魚介中華そば」、どちらも清湯系のスッキリした味わいで、醤油は地元あきる野の「キッコーゴ」を使用。
シンプルで素朴な感じの王道を行く中華そばでありながら、それが凄く惹きつけられる味に仕上がっている!
独学で作ったとは思えないバランスに、ご主人のセンスを感じます。
「美味しいお酒とラーメン」をコンセプトにオープンしたお店ですが、残念ながら緊急事態宣言などにより「美味しいお酒」は中々提供出来ないもどかしさがありますが、「美味しいラーメン」はしっかり食べられます!
【RAMEN WANTO@国分寺】
ミシュランガイドのビブグルマンに6年連続で選出されている「麺尊 RAGE」の3rdブランドとして、4月16日にオープンしたお店。
「隠れ家」という言葉がよく似合う立地にありながら、着実にファンを増やしつつあります。
鶏ガラと豚肉出汁をベースにしたという醤油味のスープは、無化調ながらもガツンとくる醤油じょっぱさとニンニクの風味が力強く感じられるジャンクな味わいで、一味や青唐辛子の辛味がアクセントになっている病みつきになる味わい!
バリカタな茹で加減の三河屋製麺の低加水細ストレートがスープをたっぷりと持ち上げ、ザクザクした歯切れの良い食感で楽しませてくれます!
シンプルなのに奥深いジャンクさを楽しめる一杯を、是非試してみて下さい!
【空の青とひまわり畑@上北台】
「中華そば 青葉 八王子店」出身のご主人が、今年に入って休業されている「浜風食堂」を利用し、ランチタイムのみ営業するラーメン店として、5月1日からプレオープンという形で営業開始したお店。
「青葉」とは全く違った方向性のラーメンを提供し、短い時間の営業ながらも既に人気店となっています!
京都の地鶏「丹波黒どり」を使用したという清湯系スープの無化調ラーメンは、素材の旨味を存分に引き出したもので、レンゲが止まらなくなるような引きの強さを持っています。
ラーメンは「醤油」と「塩」の2種類のみながら、全く違った印象のスープに仕上がっていています。更に「細麺」と「手揉み麺」が選べ、組み合わせによってそれぞれ違った表情を見せてくれるので、色々な味わいを楽しむことが出来ます!
お店の前には今が見頃の「ひまわり畑」が広がるので、夏の風物詩ひまわりと美味しいラーメンをセットで楽しみに足を運んでみてはいかがでしょうか。
【ハナイロモ麺@吉祥寺】
吉祥寺にある居酒屋「でき心」による新業態として、4月29日にオープン。
「中華そば しば田」や「三鷹食堂 いなり」などを輩出し、吉祥寺が誇る人気店でありながら閉店してしまった「音麺酒家 楽々」で提供されていた生郎インスパイア系の「ラブメン」を、楽々の店主だった磯部さん直々のサポートにより、そのDNAを受け継いだラーメンとして提供しているお店!
「ヤサイ」「ニンニク」「アブラ」「トウガラシ」の無料トッピングの他に、他の二郎系ではあまり見かけない有料トッピングの「クリームチーズ」が特徴的!
乳化度が高くマイルドな濃厚さを楽しめるスープに、二郎系としてはやや細めの部類に入る太麺が合わさった、食べやすいバランスのガッツリ系ラーメン。
二郎系の中でもスープの濃度は高めながら優しい味わいで、トウガラシのピリ辛感や風味のアクセントも面白く、濃厚なコクと旨味を持ったクリームチーズを麺やヤサイに絡めて食べると堪らない味わいに!
ここ数年は吉祥寺駅近くに二郎系のお店が無かったので、二郎系を心待ちにしていたラーメン好きの胃袋を掴むお店となりそうです!
【Ramen FeeL@日向和田】
現在のラーメン業界を牽引していると言っても過言では無い存在である湯河原の名店「飯田商店」公認の独立第一号として、2月28日にオープンしたお店。
今年一番の注目店としてオープン前から話題となっていて、初日には徹夜組も出た程。オープンから4か月過ぎた現在もその人気は健在で、週末は朝7時の段階で完売になる事も!
鶏や豚骨の動物系をベースにした緻密な計算がされた清湯スープに、しなやかな麺を合わせた上質な味わい。
「醤油」「塩」の2種類のラーメンは、タレのみならず出汁も麺もトッピングも変えるという拘りようで、全く違った味わいを楽しめる!
クッキリした味わいと旨味を楽しみたい方は「醤油」、じんわりと出汁の旨味を楽しみたい方は「塩」がオススメ!
日々進化し続けるラーメンに加えて「つけ麺」も始まり、ますます目が離せないお店です!
【中華蕎麦 ひら井@北府中】
「ラーメン二郎 八王子野猿街道店2」で助手を務めた方が独立し、二郎系とは全く違ったラーメンやつけ麺を提供する新店として、5月4日より営業を開始されたお店。
豚ゲンコツ・豚頭・牛骨・鶏ガラ・モミジなどを使用した動物系100%のスープは、肉や骨や随までもが溶け込んだような濃厚さがあり、そこにシャープな醤油ダレが合わさって、強いパンチがありながらもキツすぎない絶妙なバランスに!
北海道産小麦「春よ恋」「はるきらり」を使用したという自家製の細ストレート麺との相性も抜群!
駅からも遠く、決して良い立地とは言えませんが、並んでも食べる価値のあるお店なので、既に行列の絶えない人気店となっています!
今年上半期に武蔵野・多摩地区でオープンした新店は、名店で修業された方による独立店が多いですが、修業元の味を踏襲しつつもオリジナリティを出したり、修業元とは全く違ったラーメンを出すなど個性派揃いで面白いです!
今回紹介したお店はほんの一部であって、他にも良い新店が沢山ありますので、各々のコロナ対策をしっかりしつつ色々なお店に行ってラーメンを楽しく食べて、ラーメン業界を盛り上げていきたいですね!
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくは各店舗にご確認ください。
ZATSU
2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。
本人ブログ(https://zatsu-ke.blog.jp/)
本人Twitter @zatsu_ke
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