つけそば一筋でもうすぐ20年 青梅で愛され続ける名店 つけそば屋 麺楽(東京・河辺)【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第74回

2021年10月04日 12時00分更新

 青梅市が誇る二大巨頭、「担々麺 杉山」と「つけそば屋 麺楽」。

 青梅のラーメン界を支えてきたこの2店の存在をもっと多くの人に知ってもらいたいと思い、前回は「担々麺 杉山」を紹介しました。

 そして第二弾の今回は、来年2月で20周年を迎える「つけそば屋 麺楽」を紹介させていただきます。

JR青梅線・河辺駅から徒歩12分「つけそば屋 麺楽」

 現在における「つけ麺」は「ラーメン」と肩を並べる程になっていて、有って当然のごとくメニューに並んでいますが、一昔前は全く違いました。

 「つけ麺」と言えば、ラーメンの神様とも呼ばれ「つけ麺の生みの親」でもある故・山岸一雄さんの「東池袋大勝軒」を思い浮かべる人も少ないと思います。 その「大勝軒」のもりそばや、「つけ麺大王」のつけ麺などによって1970年代にブームが起きたとの話を伺った事がありますが、今ほど市民権を得た感じではありませんでした。

 今のように誰もが「つけ麺」を認識し普及しはじめたのは、川越の名店「頑者」が魚粉をのせた濃厚魚介つけ麺を提供し始めた2000年代中盤頃で、それ以前はつけ麺を提供していても「つけ麺の食べ方がわからない」という方も多数いて、「ざる蕎麦のようにつけながら食べるものですよ」と説明するお店も少なくありませんでした。

 そんな濃厚魚介つけ麺が一大ブームを巻き起こし、つけ麺が市民権を得る2000年代中盤の少し前の2002年2月14日に「つけそば屋 麺楽」はオープンしました。

 当時としてはかなり珍しい「つけ麺の専門店」だったので、ラーメンフリークは別として西多摩地区に住む方は、このお店で初めてつけ麺を知った、初めてつけ麺を食べたという人も少なくないのではないでしょうか。

 実際、私の周りでも「つけそばって何?そば?」「つけうどんみたいなお店が出来たよ」「つけるラーメン??」など、どんなお店なのか実際食べてみないとわからないような噂が飛び交い、ラーメンフリークではない人との間でも話題にのぼる程でした。

 そして、食べた人はたちまちその味の虜になり、すぐに多くの常連さんに愛されるお店となりました。

 麺類は、基本の「つけそば」の他に、「特つけそば」「チャーシュー入り」「メンマ入り」「野菜入り」「味玉入り」などのトッピング違いのみ。

 ラーメンもなければ味噌や塩など違う味もなく、つけそばの味一本で20年近く行列の絶えない人気を保っているのが本当に凄いと思います。その人気の裏には味だけではない心遣いや人情などもあるのかもしれません。

 実際に行ってみるとわかるのですが、都心の人気店とは大きく異なる部分があります。

 ひとつは「行列の代表待ち」。

 現在行列の出来る人気店では、トラブルの原因になるので人数が揃ってから並んでくださいというのが通例となっていますが、ここでは代表待ちが容認されています。というのも小さいお子様と一緒の家族連れのお客さんが多く、そういった近隣のお客さんを大事にしているので、代表以外の方が車で待っているというのは問題視されません。

 並んでいるお客さんもそれが当たり前だと認識していて、お店の方も定期的に外に出て人数の確認など行い、少しでも早く提供出来るようにと工夫されています。

 もうひとつは「つけそばのシェア」。

 先ほど述べましたが、小さいお子様と一緒の家族連れのお客さんを大事にしているので、「お子様用つけダレ」というメニューを用意し、麺に関しては「大盛」や「特盛」にしてシェアする事が出来るので、小さいお子様連れのお客さんには重宝されています。

 そしてこれだけ受け入れる体制が出来ていると、「子どもを連れて行っても良いのだ」という安心感が生まれ、食べ手側も家族連れで行きやすいお店となっています。

チャーシューやメンマなど、基本の具が多めに入った「特つけそば」

 さて、そのお店の看板メニューである「つけそば」ですが、なんと言っても一番はこだわりの自家製麺!

軽くウェーブがかかった、平打ち太めの「自家製麺」

 研究に研究を重ねたという自家製麺はキラキラと輝く艶やかなもので、ツルツルした滑らかな啜り心地と、うどんのようなコシのある食感を楽しめ、硬すぎたりせずに飽きの来ない食べやすい味わいで、啜るのも咀嚼するのも楽しいです。

 つけ汁は、動物系と魚介系をバランス良く合わせたスープに、甘味・酸味・辛味等を加え、あっさりした中にもアクセントを付け、毎日食べても飽きの来ない味に仕上げていて、濃厚魚介豚骨が爆発的にヒットした時もブレずに今日までこの味を貫き通しています。

 酸味や辛味は強めに効いていますが、毎回「酸味や辛味は大丈夫ですか?」と声をかけてくれて、好みに合わせて酸味や辛味を抜くことが出来ます。

 つけ汁の中には、チャーシュー・メンマ・ナルト・ネギなどを細切りにした具がたっぷり!

 甘辛なつけ汁を存分に吸っていて、これらを麺と一緒に食べると堪らない!

 「特つけそば」にすれば具の量がさらに増え、つけ汁の旨味もアップ!

炒め野菜が追加された「野菜入り」

 「野菜入り」にすると、炒めたキャベツともやしがたっぷりのせられ、これらのシャキシャキした食感や芳ばしい風味がアクセントとなり、さらに食欲がそそられるものになっています。

「チャーシュー入り」に半熟の味玉をトッピング

 圧巻のビジュアルは「チャーシュー入り」! 麺をつけるスペースがないくらいに肉づくし!

 肉の旨味が滲み出ることにより、つけ汁の旨味もさらにアップして印象が変わるので、ガッツリ食べたい方には超オススメ!

 麺を食べ終えた後は、スープ割りがオススメ!

 残ったつけ汁に熱々の和風出汁を注いでくれるものですが、それまでのタレ主体の濃い味から「出汁」の味が主役になるので、味わいが劇的に変わります。

 ここまで出汁の味を楽しめるスープ割りは他ではないんじゃないか? って位に出汁の味を楽しめるので、最後は是非スープ割りを!

「ミニ豚マヨ丼」

「ミニメンタイ丼」

 つけそば専門店ですが、「豚マヨ丼」や「メンタイ丼」などの丼物も人気!

 チャーシューと刻みチャーシューにオリジナルのマヨダレと特製タレが和えられた旨味たっぷりな「豚マヨ丼」、博多から取り寄せた明太子にオリジナルのマヨダレを合わせたピリッと辛味のある「メンタイ丼」、どちらも間違いない美味しさで、つけそばとセットでミニ丼を頼む方が多いです。

 オープンしたのが2002年のバレンタインデーという事もあり、毎年2月14日前後には「開店記念日」として、感謝の思いを込めて来店者にチョコレートのプレゼントが贈られています。

 私も数回いただいた事があり、常連客と言えるほど通っている訳ではありませんが、こういったサービス精神も含め大好きなお店となっています。

 「つけそば屋 麺楽」は、ひとつの味を20年近くブレずに貫き、お客さんを大切にする心をしっかりと感じられるアットホームなお店で、近隣の方でも、遠方からの方でも、一人でも、家族連れでも、気持ち良く食事が出来るオススメのお店です!

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店にご確認ください。

ZATSU

2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。

本人ブログ(https://zatsu-ke.blog.jp/

本人Twitter @zatsu_ke

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