青梅のラーメン界を支えてきたゴマ・海老・辛味のバランスが絶妙な一杯 担々麺 杉山(東京・河辺)【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第73回

2021年09月27日 12時00分更新

 多摩地区のなかでも北西部に位置し、「東京」のイメージとは離れた豊かな自然を感じられる「青梅市」。

 その青梅市は、近年ラーメンでも注目を浴びることが多くなってきました。

JR青梅線・日向和田駅から徒歩10分「Ramen FeeL」

JR青梅線・河辺駅から徒歩12分「ハイデン.コッコFACTORY マルソン」

JR青梅線・小作駅から徒歩25分「㐂九家」

 今春オープンしたばかりの新店で「ラーメンWalker東京2022」の表紙を飾った「Ramen FeeL」をはじめ、「マルソン」や「㐂九家」など、近隣のお客さんはもとより、遠方からでも食べに行きたいと思うラーメンフリークが集まり行列の出来るお店が増え、ラーメン界においても青梅市の知名度が上がってきたような気がします。

 ただ、それらニューウェーブ系の人気以上に絶大な人気を誇る「青梅の二大巨頭」と呼んでも過言ではないお店が2店あります。

 遠方からのお客さんも多数いらっしゃいますが、それ以上に地元に愛され常連さんに愛される行列の絶えない不動の人気店で、ネットで大きな話題になる訳ではないけれど、「青梅が誇る名店は?」と問われた時に出てくるお店は、「担々麺 杉山」と「つけそば屋 麺楽」の2店だと私は思っています。

 勿論、先に挙げたニューウェーブ系のお店も大好きですが、青梅のラーメン界を支えてきたこの2店の存在をもっと多くの人に知ってもらいたいと思い、その第一弾として今回は「担々麺 杉山」を紹介させていただきます。

JR青梅線・河辺駅からおよそ2km、都道63号線沿いに店を構える「担々麺 杉山」

 ご主人は、ザ・キャピトル東急ホテル内にある「中国料理 星ヶ岡」で4年間修業された後に、都内の四川料理店で経験を積み、1996年に荻窪で「創作中華 唐紅花」を立ち上げ、その後も複数の飲食店立ち上げに関ったとの事。

 その後、老舗ラーメン店にて修業を積んだ後に、2003年11月にこの「担々麺 杉山」をオープンさせました。

 トッピングや一品料理も少し用意されていますが、基本的なメニューは、「担々麺」と夏季限定の「冷やし担々麺」のみ。 「担々麺」一本で勝負しながら、お客さんを飽きさせずに18年近く行列の出来るお店としているのは本当に凄いことだと思います。

食欲をかき立てるルックスの看板メニュー「担々麺」

 18年間改良を重ね続け日々進化しているというスープは、お刺身でも食べられるという新鮮な甘海老の身と頭部・タラ・ゲンコツ・鶏ガラ・モミジなどを使用し、素材ひとつひとつを丁寧に処理しているもの。

 見た目はいかにも辛そうな感じですが、実際は辛さ自体は微々たるもので、ゴマのやわらかいコクと海老の風味や味わいが楽しめ、辛いのが少し苦手な人でも抵抗なく食べられそうなくらい。

 ゴマ感・海老感・辛味をそれぞれ感じさせながらも強すぎないバランス感が素晴らしく、飽きの来ない味わいに仕上げてあります。

 麺は、手打ちに近い状態にするためにあえて「うどん」用の製麺機を使用して自家製麺されています。

 中細縮れの多加水卵麺で、啜り心地が良く適度な粉感とモチモチ食感が楽しめ、スープをたっぷり吸いながら持ち上げてくれます。

中央に鎮座するのは、オーブンで焼き上げた「有頭海老」

 「担々麺 杉山」を語る上で絶対に外せないのが「有頭海老」。

 甘海老のローストを丸々一尾使用し、見た目の豪華さだけではなく、頭から殻ごと全部食べられパリパリとした香ばしい風味と味わいを楽しむ事が出来ます。

 添えられたパクチーにも拘りがあるようで、タイ産の香りが強くかつマイルドな味の品種を取り寄せています。担々麺とピッタリなマッチングにしてあるので、パクチーが苦手な人も一度は試してみて欲しいとのこと。

 恥ずかしながら私自身パクチーが苦手で、パクチーが入っているラーメンはパクチーを抜いてもらう事も多いのですが、ここではいつもパクチーも一緒にいただいています。

 サービスでミニライスも付ける事が可能で、残ったスープをかけて雑炊風にして〆るのが最高!

なんとこちらもサービス!「杏仁豆腐」&「ジャスミンティー」

 さらに食後の口直しとして、杏仁豆腐と温かいジャスミンティーを出してくれるサービスもあって至れり尽くせり。

 単に担々麺を提供して終わりではなく、コース料理のようにタイミングを見計らって口直しを提供するなど、おもてなしの心があるからこその接客で、そういった接客を含めたお店の雰囲気があって愛されるお店となっているのだと思います。

夏季限定メニュー「冷やし担々麺」

 夏季しか食べられない「冷やし担々麺」は、つけ麺スタイル。

 ざる蕎麦を思わせるようなビジュアルながら、その味わいは熱々の「担々麺」以上に濃厚さを楽しめるもので、ゴマ感も辛味もアップ! ただ、ひんやり冷たく酸味も効かせてあるので、夏にピッタリな清涼感のある味わいに仕上がっています。

杉山のレアトッピング「味玉」

 そして、通常の「担々麺」では食べられない味玉が付いています。

 地元青梅市の「かわなべ鶏卵農場」の卵を使用したもので、卵自体の味を楽しめる味わい。凄く美味しいのに、夏季限定の「冷やし担々麺」を頼まないと食べられないというレアなトッピングになっています。

 こちらのメニューにも「担々麺」と同様、口直しの杏仁豆腐と温かいジャスミンティーが提供されます。

小皿で提供される味変トッピング「大辛特製辣油」

辛味と香ばしさが一気にアップ!

 「担々麺」は食べやすいように辛さが抑えられていますが、辛いのが好きな方には「大辛特製辣油」がオススメ!

 唐辛子はキムチなどに使われる韓国産の旨味の強い品種をメインに、中国四川省産と河北省成安県産の唐辛子、四川省産の赤山椒をバランス良くブレンドしたというもので、辛味だけでなく風味や旨みの広がりも楽しめます。小皿で提供されるので、好みのタイミングで好みの量を入れることが出来るのも嬉しい。

人気の点心メニュー「上海焼売」

 蒸籠で提供される一品料理の「上海焼売」。

 粗挽き肉のジューシーな旨味があふれ出るような味わいを楽しめるボリューム感のあるもので、オススメのサイドメニューです!

 「担々麺 杉山」は、手間暇かけて丁寧に作られた上質ながらも「突出させない」バランスで老若男女問わずたくさんのお客さんが美味しく食べられる「担々麺」と、ホッと一息ついて和やかな気持ちになれる雰囲気を楽しめるオススメのお店です!

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店にご確認ください。

ZATSU

2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。

本人ブログ(https://zatsu-ke.blog.jp/

本人Twitter @zatsu_ke

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