印象はちょっと異なります:

カップヌードル「イタリアンシーフード」 “シーフードヌードルの派生”と思わないほうがいい

2023年08月14日 16時00分更新

文● モーダル小嶋 編集●ASCII

カップヌードル スパイシーカレー ビッグ

「カップヌードル イタリアンシーフード ビッグ」
日清食品
8月7日発売
271円(税別)
https://www.nissin.com/jp/products/items/11941

シーフードヌードルの“アレンジ”から生まれた

 定番商品というのは、やはり多くの人になじみがあるから定番になっているわけです。定番だから多くの人になじみがある、とも言えましょうか。ニワトリが先かタマゴが先かというやつです。

 一方で、その定番にアレンジを利かせたバリエーション商品もありますね。とはいえ、あまり大きく変えてしまうのも考えもの。定番の味わいから逸れてしまうからです。

 たとえば、天下一品の「こってりMAX」は、既存の「こってり」の味のバランスはそのままに、より濃さが増していました。これなど、定番のアレンジとして理想形といえるでしょう。

「こってりMAX」についてはこちら

中華そば専門チェーン店「天下一品」の“こってりよりもこってり”とした「こってりMAX」を食べてみた記事。

 さて、日清食品が8月7日に発売したのが「カップヌードル イタリアンシーフード ビッグ」。その名の通り、「カップヌードル シーフード」のバリエーションというか、アレンジ品です。

イタリアンシーフード

パッケージもイタリアンカラーですね

 そもそも、商品の開発からして、“アレンジ”の発想から生まれたものなのです。SNS上の「温めたトマトジュースでシーフードヌードルを作るとおいしい』という口コミに着目し、シーフードヌードルをイタリアンな味わいにアレンジした商品とのこと。

イタリアンシーフード

フタにもトマトとガーリックのイラストがありますね

イタリアンシーフード

乾燥したトマトが入っているのがわかります

 ポークと魚介の旨味が特徴である「シーフードヌードル」のスープに、フライドガーリックの風味、トマトの酸味と甘みを加えたコクうまな味わいとのこと。具材にはキャベツ、イカ、たまご。そして、トマトが入っています。

イタリアンシーフード

できあがり。やはりトマト由来(?)の赤さがあります

トマトとガーリックによって、雰囲気がちょっと異なる

イタリアンシーフード

スープの雰囲気が違う

 シーフードヌードルのアレンジなので、どこが同じで、どこが異なるのか……というところが気になるポイントでしょう。

 やはり、違いはスープです。シーフードヌードルらしい魚介感もあるのですが、ガーリックの香りとトマトの甘みも出ています。とくに、トマトの風味と香りが個性的で、スープの味わいを決定付けています。

 ガーリックは、味というよりは香りで主張するところが大きいですね。トマトの風味とガーリックの香りが印象に残るため、いつものシーフードヌードルとはかなり雰囲気が違うスープになっています。

イタリアンシーフード

麺は“いつもの”やつです

 麺は、(おそらく)シーフードヌードルと同じ太さのものです。そのため、よりスープの違いが際立つ感じになっているようにも感じました。

 具材のキャベツ、イカ、たまごはシーフードヌードルと同じ。ただ、ここにもトマトが入っています。このトマトが結構ポイントというか、「ベースはシーフードヌードルなんだけれども、シーフードヌードルっぽくない」要素に寄与していますね。

イタリアンシーフード

小さいながら存在感のあるトマト

イタリアンシーフード

シーフードヌードルらしく、イカもあります

 このトマト、サイズとしては小さいのですが、食感と味わいが「あー、いつも(のシーフードヌードル)と違うわ」と思わせてくれるのです。しかしながら、同じく具材にトマトを使っている「カップヌードル チリトマト」あたりに似ているかといわれればそうでもないのも、おもしろいところ。

 スープの味の土台が違うので、トマトが入っているという共通項があっても、チリトマトなどとはかなり個性が異なる。結果的に、レギュラーメニューにはない「欧風のスープパスタ」のような、独自の味わいをもったカップヌードルに仕上がっています。

 カップ麺として味はまとまっているのですが、「いつものシーフードヌードル」とはかなり雰囲気が異なります。なので、シーフードヌードルの派生と思いすぎずに、「これは、こういうもの」と考えたほうがよいでしょう。

 イタリアンな味というか、「ガーリックとトマトの風味が個性的なカップ麺」と考えて食べるのがよろしいかと思われます。

モーダル小嶋

カップ麺

1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願い申し上げます。

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