鯛にする? 海老にする?「鮮魚系ラーメン」のパイオニア らーめん いつ樹 本店(東京/小作)【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第6回

2020年04月13日 12時00分更新

 「鮮魚系ラーメン」という新しいジャンルを作り出したパイオニア的存在で、それまで武蔵野・多摩地区に無かった息吹を与えてくれたお店、それが今回紹介する「らーめん いつ樹 本店」。

 無化調濃厚魚介系ラーメンのパイオニアで、高田馬場にある人気店「渡なべ」。その運営会社「渡なべスタイル」のスタッフとして、「TOKYO NOODLE 六坊(閉店)」の味作りの他、4店舗のプロデュースに関わった方が独立し、2007年に「いつ樹」は生まれました。

2007年、羽村でのオープン当時

 オープン当初は羽村のこぢんまりした店舗で営業をしていましたが、火災により一旦閉店し、福生の「ら~めん雫(閉店)」の店舗を借りて「雫deいつ樹」という間借り営業をしていた時期もありました。

「手打ちラーメン」

 火災により製麺機が使用出来なくなった為に「手打ち麺」を試みたこともあって、そこでは激レアな麺を楽しむことができました。

 2010年9月に青梅市新町へ移転しましたが、2016年6月に店舗の入っていたビルの取り壊しにより閉店を余儀なくされ、2017年8月に新築店舗という形で現在の地に移転オープンしました。

 この13年の間に「つけ麺 五ノ神製作所」「らーめん 五ノ神製作所」「五ノ神精肉店」「五ノ神水産」等の直営店を持ち、昭島に「五ノ神製麺所」という自社製麺所を構えるなど着実にそして大きく成長し、定休日にスタッフにお店を貸すなど育成も素晴らしく、「青樹@立川」「カッパ64@福生」「らーめん改@蔵前」等の人気店も輩出しました。

現在の店舗

 新しくなった店舗では、羽村の頃の倍くらいのキャパを持った広々した空間になり、ラーメンマニアだけでなく近隣の方や家族連れも気軽に入れる雰囲気が作られています。

イベントで好評を博した「濃厚ブラックカレー焼きそば」

 地元のお祭りやイベントにも積極的に参加していて、時には焼きそば、時にはパエリア、時には焼き芋を提供するなど、単なるラーメン店では無く地元の方々に愛される、地域に根付いたお店となっています。

「鯛塩らーめん」

 少しずつ味わいを変化させながらも、オープン以来不動の看板メニューとなっているのが「鯛塩らーめん」。

 ローストした鯛と鶏を合わせて作るオリジナルの塩ラーメンは、まるで鯛そのものを食べているかのような風味がスープに移っていて、鯛以上に鯛の味がするような凝縮された旨味のあるスープに、プリプリした特徴的な自家製の平打ち麺が合わさったもので、「海」を感じるような荒々しくもバランスの取れた味わいの一杯!

 トッピングにも余念が無く、特にメンマが特徴的で、三角の極太な形状のビジュアルを見れば、「いつ樹のラーメン」と一目でわかります。

「鯛おこわ」

 「鯛塩らーめん」と相性抜群のサイドメニューが「鯛おこわ」。

 「鯛おこわ」は鯛塩のスープで炊いたもので、鯛の味と風味が染み込んだモチモチ食感のおこわが堪らない! ここにスープをかけて雑炊風にすると、より深い味わいが楽しめます。

「海老つけ麺」

 後発ながら、「鯛塩らーめん」と二枚看板となっているのが「海老つけ麺」。

 「鯛塩らーめん」とはまた違ったインパクトを持ったもので、まず驚くのがその濃厚さ!

 ドッロドロの粘度で太麺に否応なしに絡みつき、ズシンと来る重さを感じる超濃厚な味わいに、香ばしい海老の風味と味わいがガツンと来ます。

 「海老食べてる!!!」って一口でわかる強烈さで、一度食べたら忘れられなくなり「また食べたい」と思う中毒性のある味わい!

 麺も「鯛塩らーめん」とは全く違った太ストレート麺で、強烈なつけ汁に負けずに調和出来る力強いもので、その風味と味わいは麺だけを食べても美味しいと感じられるもので、つけ麺の麺としては個人的にかなり上位に入る美味しさ♪

 「替玉」はデフォルトの太麺とは打って変わっての極細麺で、タレの有無を聞いてくれて、タレをかけてもらえば油そば的にそのまま食べることもできます。

 今でこそ「味付替玉」や「和え玉」がポピュラーになっていますが、こういう味付きタイプな替玉の先駆者でもあると思います。

イクラ満載の贅沢限定麺「冷やし中華サーモン親子」

猪スープ&猪チャーシューの限定麺「しし郎」

 サーモンの親子丼を思わすような冷やし中華や、猪を使ったラーメン等々、多種多様な限定メニューも定期的に提供し、限定メニューが目当てのファンも多数居ます。

 また、毎月29日は「肉の日」として、肉をふんだんに使った限定メニューを提供するのも名物となっています。

 鮮魚系の「鯛塩らーめん」と超濃厚な「海老つけ麺」の二枚看板だけでも十分な魅力ですが、それだけに留まらず限定メニューという形で常に新しい味を提供し、ファンを楽しませてくれるお店で、「有名店」と驕らずに常にお客さんを喜ばせたいという気持ちが伝わってくるオススメのお店です!
 

 ※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式ツイッター(https://twitter.com/itsukigonokami/)をご確認ください。

ZATSU

2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。 武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。 「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。

本人ブログ(http://blog.livedoor.jp/zatsu_ke/

本人Twitter @zatsu_ke

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