家系ラーメンに卵の花を咲かせた名物麺! ラーメン大山家(東京/武蔵境・昭島)【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第11回

2020年05月18日 12時00分更新

 横浜のご当地ラーメン“家系ラーメン”に、独自のテイストを加えた「とき卵ラーメン」の発祥店「ラーメン大山家」。

1997年に開業した当時の「ラーメン大山家」

 新横浜ラーメン博物館出店によって家系ラーメンの知名度を飛躍的に上げた「六角家」。その姉妹店である「近藤家」で修業を積んだ方がご両親の営んでいた中華料理店を改装し、1997年3月に「ラーメン大山家」を武蔵境にオープンさせました。

改装を経た現在の店舗。JR中央線・武蔵境駅から徒歩15分ほどの地に佇む

 家系の枠を超えたラーメンを提供するという事で話題となり、遠くから足を運ぶお客さんも増え人気が定着し、2007年の店舗改装を経て現在の形になりました。

 連日満席の人気店となりながらも飽くなき探究心のご主人は、2011年に大成食品による「鳥居式らーめん塾」でも学び、第14期生として卒業しています。

丼に生卵を割り入れ、熱々スープを注いで卵の花を咲かす「とき卵ラーメン」

 大山家の知名度を一気に押し上げたのが、オープン当初から提供し続けている元祖・とき卵ラーメン!

 「とき卵ラーメン」という言葉を初めて聞いた時は、あっさりした「とき卵スープ」を想像して「面白味がなさそう」とか思っていたのですが、食べてみてビックリ!

 160kg以上もの豚骨や鶏ガラを強火で12時間以上もかけて炊き込んだというスープは、豚骨の旨味がたっぷり溶け込み、豚骨臭も薫るどっしりとした濃厚さがありながらも重過ぎないもので、濃いめの醤油ダレと合わさってほんのり甘味のある病みつきになる味わい!

とき卵をガッツリ絡みとる極太麺。家系なので茹で加減はお好みでオーダー!

 濃厚スープに合わせる麺は山正食品の特注極太で、初めて食べた時は「何だこの麺!?」と思うくらいの衝撃。特徴のあるコシとモチモチ感を持ったウドンのような麺で、やはり他では出会えないオリジナリティを感じます。

 「とき卵ラーメン」ではない通常のラーメンには中太平打ち麺を合わせていて、より家系ラーメンらしい味を楽しめます。

 このラーメンのキーとなる「とき卵」はフワフワなものでは無く、温泉玉子に近いネットリとした濃厚感を楽しめるもの。豚骨スープの濃厚さを活かしつつマイルドさも加える、このスープだからこそ活きる「とき卵」って感じの一体感で、他には無い豚骨醤油ラーメンに仕上がっています!

2010年、青梅街道沿いにオープンした「ラーメン大山家 青梅店」(現在は昭島に移転)

2012年に移転オープン、JR青梅線・昭島駅から徒歩2分「ラーメン大山家 昭島店」

 2010年にはロードサイドの大箱となる青梅店を開店しましたが、東日本大震災時の電力危機等の煽りを受け閉店し、2012年7月に移転という形で昭島店がオープンしました。

2012年11月「第1回 昭島ブランド・フードグランプリ」に出店

2013年8月「多摩フェスティバル」に出店

 昭島に出店後は「第1回 昭島ブランド・フードグランプリ」を皮切りに、「多摩フェスティバル」や「東京ラーメンショー」など全国各地で行われている沢山のイベントにも出店するようになり、その知名度は武蔵野・多摩地区だけに収まるものでは無くなりました!

イベント出店時に好評を博した「海老辛油そば」

人気のあまり、店舗でも限定麺として登場する「海老辛油そば」

 昭島や立川で行なわれたイベントで提供された「海老辛油そば」は特に人気が高く、一時期はお店でレギュラーメニューにもなり、今もなお限定麺として定期的に提供されています。

2014年10月「東京ラーメンショー2014」にコラボ出店

麺彩房とのスペシャルコラボラーメン「和歌山中華そば 生醤油仕立て」

 2014年のラーメンショーでは、「麺彩房@中野」とコラボレーションした「和歌山中華そば 生醤油仕立て」を提供し、その後も数々のイベントで様々なお店とコラボしています。

 イベント時だけでなく店舗での創作メニューにも意欲的で、2カ月程度の期間で限定麺を提供しています。

 他のお店の限定と違って提供期間が長いので、時間が中々取れなかったり、噂を聞いた後でも食べる事が出来るのが有り難く、そのメニューは十八番の濃厚な豚骨を活かしたものから対極をいく清湯系まで様々なものがあって非常に面白いです!

現在のラーメン界の最先端をいくような味に仕上げた、清湯系の「鴨脂醤油そば」

とき卵ラーメンをベースに、黒胡椒をガツンと効かせた「黒いとき卵ラーメン」

鶏と鰹の和出汁を使用した冷やしラーメン「肉いっぱい冷やし鶏そば」

店主の出身地・新潟県長岡市の生姜醤油ラーメンをイメージした「ふるさと中華そば」

 これらが個人的に特に印象に残った限定麺ですが、他にも家系ラーメンの垣根を超えた多種多様な沢山の限定麺があって、それを楽しみにしているお客さんも沢山います。

 現在は新型コロナウイルス対策でテイクアウト用のラーメンやまぜそばも提供していて、店舗で食べるだけでなく自宅で楽しむことも出来るようになっています。

 家系ラーメンというと豚骨醤油ラーメン一本、あってもつけ麺くらいのお店が多い中、「ラーメン」「塩ラーメン」「つけ麺」「油そば」に「とき卵」、「赤いとき卵ラーメン」とレギュラーメニューが充実している上に限定麺も加わっているので、何度行っても飽きの来ない楽しさかあり、いずれも満足感の高いハイクオリティな一杯を食べさせてくれるオススメのお店です♪

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式サイトをご確認ください。

ZATSU

2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。

本人ブログ(http://blog.livedoor.jp/zatsu_ke/

本人Twitter @zatsu_ke

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