愛され続けて15周年を迎える家系のこだわりスープを堪能 武蔵境 つばさ家(東京・武蔵境)【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第82回

2021年11月29日 12時00分更新

2007年3月にオープンした横浜家系ラーメンの人気店「武蔵境 つばさ家」

 今回のオスス麺は、武蔵境で愛され続け、来春で15周年を迎える家系ラーメン店「武蔵境 つばさ家」。

 JR中央線・武蔵境駅の北口から徒歩5分ほどの所にあり、駐車場も2台用意されているので、電車でも車でもアクセスが良いです。

 「つばさ家」は、「六角家」出身の方が味作りをして2006年に立川でオープンした横浜家系ラーメン店。立川は飛行場に縁のある地ということから、「立川 つばさ家」と名付けられました。

 「武蔵境 つばさ家」は、立川で不動の人気を獲た「立川 つばさ家」の姉妹店として2007年3月末にオープしたので「立川 つばさ家」の支店というイメージを持っている方もいると思いますが、現在は独立されていて、同じ「家系ラーメン」ではありますが全く違った製法やサービスで提供しています。

荒川店主が足繁く通っていた某人気店のラーメン

 ご主人の荒川さんは、高校生の頃からラーメンが好きで学校帰りに近所のラーメン店で食べることが多く、高校卒業後は高円寺のスーパーでアルバイトをしながら高円寺のラーメンにどっぷりハマり、特に環七沿いに当時あった某人気店に通い詰めていたとのこと。

 「そろそろ就職も考えないと」と思っている最中、通っていた某人気店の店長から「うちで働いてみる?」と声をかけられ、話だけでもと思って面接を受け、実際に社長と会ってみるとその思想や言葉などの力強さに惹かれ、「ここで働きたい」と思った事を機にラーメンの世界に入りました。

 その後も腕を磨き続け、2005年には立川のラーメンコンプレックス「ラーメンスクエア」への出店立ち上げに携わり、後に店長としてお店を任されるまでになりました。

 ラーメンスクエアでは同施設内他店舗のスタッフとの交流も多く、そこで知り合った方から新規オープンする予定の「武蔵境 つばさ家」を一緒にやらないかという誘いが舞い込んできて、色々な縁やタイミングが重なり、お世話になった某人気店を退職し、「武蔵境 つばさ家」のスタッフとして立ち上げに携わり、2007年3月30日にオープン。しばらくして店長としてお店を任せるようになり、日々研鑽を積まれました。

オープン当時の「武蔵境 つばさ家」

 店長となり数年が経った頃から、現場サイドと経営者サイドとの見解の違いなどが重なるようになり、また荒川さんご自身が結婚し所帯を持った事によって、「雇われ店長ではなく、経営を含め『自分で店をやりたい!』」という思いが生まれ、「つばさ家」のオーナーに打診してみたところ意外にも快諾。

 そして2013年8月より「武蔵境 つばさ家」は「立川 つばさ家」から独立し、荒川さんは一国一城の主となりました。

 店名を変えようかと考えたこともあったようですが、地元の方に親しまれたこの屋号で続けていこうと決めたとのこと。

基本であり看板の一杯!「ラーメン」

 ご主人が自信を持って提供する珠玉の一杯は「ラーメン」!

 一番のこだわりは? と伺うと、「スープです!」と力強く応えてくれました。

 家系ラーメンでは豚骨だけでなく鶏ガラもたくさん加えるお店が多いですが、ここでは鶏は使わずに豚のゲンコツと背ガラをふんだんに使って長時間炊き出し、呼び戻し製法で作った白湯豚骨スープを使用。

 最近は工場生産のスープを使っているお店も増えてきていますが、「命をかけている」と言っても過言で無いくらいにスープ管理を徹底している自慢の店炊きスープで、意外にも「濃度は然程いらないです」との話。

 実際にいただいてみるとわかるのですが、ドロッとした粘度やドッシリした重さなどは無く、醤油の味が先行し後から豚骨の持つコクや旨味がやってきて、最後に骨感が余韻として抜けていくような味になっています。

 「家系豚骨醤油」という枠組みの中では凄く食べやすい仕上がりになっているので、若者だけでなく幅広い世代に受け入れられる味となっています。

 麺は、東久留米「三河屋製麺」特注の縦切りの中太ストレートを使用。

 気温や湿度などによっても茹で加減が変化するので、キッチンタイマーは使わずに目で見て茹で加減を判断するという職人技で、麺の持つポテンシャルをしっかりと引き出してくれます!

 チャーシューは肩ロースを使用した煮豚タイプ。

 家系ラーメンでは燻製の焼豚を使用するお店もありますが、チャーシューの薫香によってスープの風味も変わってしまうので「武蔵境 つばさ家」のスープには合わず、やはり煮豚がベストと自信を持って提供しているとの事。

 ホロッとした柔らかさで、しっかりした肉の旨味が感じられます

家系ラーメンに欠かせないのがこれ!

 「家系ラーメン」と言えば「ライス」との相性が抜群で、それは「武蔵境 つばさ家」も同じ。

 しかも国産米を100%使用しているのでお米自体も美味しく、スープをたっぷり吸わせた海苔で巻いて食べるのがオススメ!

家系アレンジの人気メニュー「つけ麺」

 「つけ麺」は、豚骨スープをベースに、醤油ダレに酢を溶け込ませたオリジナルの醤油ダレを使用。

 こちらは「立川 つばさ家」の味を踏襲したもので、豚骨なのに酸味を強めに効かせた酸っぱくてスッキリした口当たりに、フライドオニオンの甘味のアクセントを加えた印象深い味に仕上がっていて、「つけ麺しか食べない」という常連さんも居る程でハマると抜け出せない一杯となっているようです。

期間限定メニュー「焦がしにんにくラーメン」

期間限定メニュー「旨辛ラーメン」

期間限定メニュー「油そば」

 他にも「焦がしにんにくラーメン」「旨辛ラーメン」「油そば」など、期間限定で提供したメニューも大好評だったとの事。

 私はタイミングが合わず食べられなかったのですが、緊急事態宣言明けの営業時間変更のリズムが整い、落ち着いた頃にまた期間限定メニューとして提供する予定との事なので、こちらも楽しみです!

 また、お店が「SHIROBAKO」というアニメにも登場していて、聖地巡礼として全国から食べに来るお客さんも多く、なかには韓国からわざわざ来たという方も居たとの事!

 「今後どのようなお店にしていきたいですか?」と伺うと、「やはり地元の方に愛されるお店であり続けたいと思います!欲を言えば、『武蔵境でラーメンと言ったらつばさ家!』『家系と言ったらつばさ家!』と呼ばれる位に皆さんに親しまれ、食べに行きたいと思って貰えるようなお店にしたいです!」と語ってくれました。

食後にはこんな嬉しいサービスも

 「武蔵境 つばさ家」は、スープ作りから麺茹でに至るまで妥協せず、一杯一杯に魂を込めて作るラーメンを提供し、さらに同料金で「並盛」「中盛」「大盛」が選べ、ラーメンを注文したお客さんには帰りにアイスのサービスを付けるなど、お客さんに喜んで貰えるようなサービスを提供。

 接客面も爽やかで朗らかな応対で気持ちが良く、「また来たい」という気持ちにさせてくれるオススメのお店です!

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式ツイッター(https://twitter.com/tsubasaya_sakai)をご確認ください。

ZATSU

2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。

本人ブログ(https://zatsu-ke.blog.jp/

本人Twitter @zatsu_ke

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