武蔵野・多摩地区で食べられる『九州豚骨ラーメン』特集!【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第101回

2022年05月16日 12時00分更新

 私が食べ歩きを始めるほどラーメンに興味を持ったのは、『豚骨ラーメン』がきっかけでした。

 豚骨ラーメンが無ければここまでラーメンを好きになることはなかったと言っても過言でない位の存在で、今でもやはり豚骨ラーメンは特別で、「ラーメンを食べに行こう!」となった時に真っ先に思い浮かぶのは豚骨ラーメンです。

 そんな豚骨ラーメンは、九州のご当地ラーメンとして有名です。

 一般的には『九州豚骨ラーメン=博多ラーメン』というイメージが強く、私自身も食べ歩きを始める前まではそう思っていましたが、九州の豚骨ラーメンと言っても長浜・博多・久留米・熊本・玉名・大分・鹿児島・宮崎など、九州の中でも地域によって特色が違います。

 豚骨ラーメンの歴史は、福岡県久留米市の1947年創業の屋台「三九」がスープを作る過程で火加減を誤って白濁させてしまった事で白濁豚骨スープが偶然に誕生し、このスープを用いてラーメンを提供するようになったのが豚骨ラーメンの始まりと言われています。その後はこの久留米豚骨ラーメンから派生して、各地の特色を出した豚骨ラーメンが生まれていきました。

 九州の本場の味とは少し違うかもしれませんが、東京の武蔵野・多摩地区でも九州各地の特色にインスパイアされたラーメンを食べることが出来ます。

 そんなわけで今回は、『武蔵野・多摩地区で食べられる九州豚骨ラーメン』を紹介させていただきます!

《博多ラーメン・長浜ラーメン》

 東京において一番馴染みのある豚骨ラーメンは『博多ラーメン』や『長浜ラーメン』で、武蔵野・多摩地区にもたくさんのお店があります。

 厳密には博多ラーメンと長浜ラーメンにも違いがありますが、東京では『博多長浜』と一緒くたにされる事も少なくなく、そのラーメンも各々の解釈で作られているので、同じ様でありながら個性もしっかり感じられるラーメンを楽しむ事が出来ます。
 

【元祖長浜 大学ラーメン】

西武拝島線「東大和市」駅から徒歩15分

「チャーシューメン」

 本場長浜屋台の雰囲気をそのまま楽しめるようなお店。豚骨の風味を楽しめつつもクセを抑えた濃厚な味わいの豚骨スープと、風味豊かな自家製麺を楽しめます!
 

【博多長浜らーめん 六角堂 八王子店】

京王相模原線「京王堀之内」駅から徒歩8分

「定番長浜らーめん」

 ゴリゴリした骨っぽさとクリーミーさを兼ね備えたインパクトのある豚骨スープに、そうめんのような極細麺が合わさった一杯!
 

【麺の章 九州 とりとん】

JR「立川」駅南口からすぐ、「ラーメンスクエア」内

「九州あっさり豚骨ラーメン」

 さらっとした口当たりの中にも豚骨の風味と旨味が凝縮されたスープに、低加水の極細麺を合わせた本格派の博多ラーメン!
 

《熊本ラーメン》

 東京にもっとも早く入ってきた豚骨ラーメンが、この『熊本ラーメン』。

 マー油や黒マー油と呼ばれる焦がしニンニク油のアクセントが特徴的な豚骨ラーメン。
 

【熊本ラーメン 火の国(改)】

小田急線・JR横浜線「町田」駅から徒歩2分

「ラーメン」

 武蔵野・多摩を中心としたエリアにおいて熊本ラーメンの普及に大きく貢献した「大石家(閉店)」出身者のお店。ライトながらもクリーミーさを感じる豚骨スープに、焦がしニンニクの芳ばしい風味を感じさせながらも苦味のない絶妙な黒マー油がマッチ!
 

【熊本ラーメン ひごもんずneo 三鷹店】

JR中央線「三鷹」駅から徒歩2分

「まる角ラーメン」

 東京に九州の豚骨ラーメンを持ち込んだパイオニアである「桂花」出身で、西荻窪に店舗を構える「ひごもんず」の支店。スッキリした白湯豚骨スープの塩気と軽めな黒マー油の風味で、スルスルと食べやすい一杯!
 

【分田上(わけたがみ)】

京王相模原線「南大沢」駅からおよそ1.7km

「チーズラーメン」

 「火の国(改)」と同じく「大石家」出身でありながら、全く違ったタイプのお店。

 優しくも奥深いコクのある白湯豚骨スープにキラキラとした黄金のマー油が合わさった絶妙なバランス感で、チーズトッピングによって旨味がさらにアップ!
 

《大分ラーメン》

 大分では、博多ラーメンと熊本ラーメンの中間的な味わいの『佐伯ラーメン』が有名ですが、50年以上前に大分県臼杵市で食べられていた『あっさり塩とんこつラーメン』を八王子で食べる事が出来ます。
 

【三代目 八作】

京王高尾線「めじろ台」駅からおよそ1.1km

「塩とんこつラーメン」

 そのお店が「三代目 八作」。

 本店は、豚骨ラーメン発祥の地である福岡で修業した後に大分県臼杵市で1957年にオープンした「八作」。

 その味に惚れ込み「この味を守っていきたい」と思った方が修業し、2004年に八王子で「三代目 八作」をオープンさせました。

 昔と変わらない製法で丁寧に作られたスープは、白湯豚骨の持つどっしり濃厚なものとは違い、半濁であっさりした飲み口の中にもコクや旨味のしっかりした味わいを楽しめる一杯!
 

《玉名ラーメン》

 『久留米ラーメン』の始祖と言われる「三九」が熊本県玉名市に出店し、濃厚な豚骨スープに焦がしニンニクをトッピングした事が特徴となったのが『玉名ラーメン』で、『熊本ラーメン』のルーツと言われています。
 

【ラーメン くれは】

西武新宿線「田無」駅から徒歩7分

「味玉ラーメン」

 その玉名ラーメンにオリジナルのテイストを加えた『新玉名ラーメン』を食べる事が出来るのが「ラーメン くれは」。

 現在は玉名ラーメンの名を冠してはいませんが、その味わいは健在。東京都内でも屈指の濃厚さを持つ豚骨ラーメンで、骨も肉も髄も溶け込んだような超濃厚なスープにフライドガーリックの風味がアクセントとなったヘビー級の一杯!

 「熊本ラーメン」もメニューにあるので、食べ比べてみるのも良いかもしれませんね。
 

《久留米ラーメン》

 最後に紹介するのは、先に述べた豚骨ラーメン発祥の地である『久留米ラーメン』を提供するお店。
 

【九州ラーメン いし】

西武拝島線「小川」駅から徒歩4分

「ラーメン」

 福岡県久留米市は、タイヤメーカー「ブリヂストン」発祥の地。1960年にブリヂストン東京工場が小平市で操業開始した際に1000人近い従業員が久留米工場から移り、「久留米の豚骨ラーメンが食べたい」との強い要望により、1973年に本場の久留米ラーメンを出すプレハブのお店を東京工場のすぐ近くにオープンさせました。

 その後はブリヂストンマーケットというスーパー内へと移転。そしてブリヂストンマーケットの閉鎖を機に、2007年に現在の地に移転しました。

 時代やニーズに合わせ、50年前の創業当時の味とは変えていっているようですが、武蔵野・多摩地区で久留米ラーメンを食べられる貴重なお店。強めな豚骨臭を漂わせながらもサラッとした口当たりのライトな味わいの中にクリーミーなコクを感じる一杯を楽しむ事が出来ます!
 


 『豚骨』と言っても白湯スープもあれば白濁や清湯もあり、その味わいもこってりからあっさりまで様々。

 武蔵野・多摩地区の中だけでも九州各地のご当地豚骨ラーメンを楽しむ事が出来ますので、ぜひ色々な豚骨ラーメンを食べ歩いて自分の好みにあった一杯を見つけてください!

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくは各店舗にご確認ください。
 

ZATSU

2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。

本人ブログ(https://zatsu-ke.blog.jp/

本人Twitter @zatsu_ke

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