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立川の名店「鏡花」の支店が八王子に 若い力が創る新しい歴史! らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵(東京・八王子)【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第105回

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6月1日にオープンした新店「らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵」

 全国的にも知名度が高く、立川が誇る名店としてラーメン業界を牽引してきた「らーめん愉悦処 鏡花」の支店が6月1日にオープンしました。

 本店の「鏡花」は本コラムの第2回(https://ramen.walkerplus.com/article/4005517/)でも紹介しているので、そちらも併せてご覧いただければ幸いです。

JR各線「立川」駅南口から徒歩5分の本店「らーめん愉悦処 鏡花」

フードコートに出店していた「らーめん 鏡花 ららぽーと立川立飛店」(今年1月に閉店)

 「鏡花」の店主・町田恵一さん(以下「おやっさん」と称します)は、立川市内のショッピングパーク「ららぽーと立川立飛」のフードコートで営業していた「らーめん 鏡花」の契約期間が今年の1月に終了とのことで、昨年末から次なるビジョンを描いていました。

 そのビジョンとは、「らーめん愉悦処」の屋号を冠した「鏡花」の支店をオープンさせること。

 過去には「鏡花 くれなひ」「中華そば 鏡花」「にぼぶら 鏡花」「らーめん 鏡花」など、「鏡花」の店名を冠したブランドはありましたが、「らーめん愉悦処 鏡花」としての支店は今回が初めてとなります。しかし、駅から遠くない場所で「らーめん愉悦処」としての雰囲気をしっかり造れる箱探しは順風満帆とは行かず、紆余曲折があったようです。

 そんな中で決めたのは、多摩地区を代表するベッドタウンであり、若者が集まる街であり、そしてラーメン激戦区でもある八王子!

JR各線「八王子」駅北口から徒歩6分の地にオープンした「らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵」

 今回の「らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵」を任されたのは、おやっさんのご子息である町田将一さん(以下「将一さん」と称します)。

 昔ながらのお店や町中華では息子さんが二代目として継ぐというのはよくある話ですが、ご当地ラーメンならぬ“ご当人ラーメン”とまで呼ばれたおやっさんの「鏡花」だけに、息子さんがお店をやるというのは不思議な感覚でした。

 今後、実際に二代目として「鏡花」を継ぐのかは定かではありませんが、今回の抜擢は並々ならぬ責任が伴うものであり、その重圧は計り知れないと思います。

 しかし、この将一さんという方は単なる親の七光りで任されたのではなく、確かな実力を持ってのことと私は確信しています。

 私が初めて将一さんに会ったのは今から2年程前、立川の本店でした。

 まだあどけなさの残る表情でしたが、和食のお店で料理の経験を積んだという礎があり、おやっさん譲りの風格を持っていました。

2020年の夏に本店で提供された限定麺「雲丹冷麺」

 それから大して月日も経たずに提供された、イクラやゴールドラッシュ(トウモロコシ)のアイスなどを用いた限定の冷やしラーメン「雲丹冷麺」を食べた時に、「これはおやっさんが考えたメニューですか?」と将一さんに伺ってみると、「和食での経験も活かして私が考えました」との答えが。それを聞いた時に凄くセンスを感じ、素直に「美味しい」と感動したことを鮮明に憶えています。

 現在はその頃のあどけなさがなくなり、シュッと引き締まった表情の将一さんを見ると頼もしさを感じます。

 今回の「八王子想庵」のスタッフは将一さんを始めとし、全員が20代。若い力で八王子という街の人に愛される店づくりが成されていくのかと思うと、これからとても楽しみです。

 メニューは本店を踏襲したものですが、作り手も違えば雰囲気も違います。

 暗がりの中、ピンライトでラーメンを照らし出す幻想的な本店に対して、「八王子想庵」は明るく清潔感のある和風モダンな空間に竹・滝・龍が水墨画風に描かれた独創的な雰囲気となっていて、その雰囲気の違いによってラーメンの味の感じ方もまた変わってくるので、これがまた楽しい。

「極み醤油らーめん」

 「鏡花」のフラッグシップメニューと言えば「醤油」!

 1日かけて豚清湯を炊き、2日目に鶏の出汁を重ね、3日目に魚介や野菜の風味をのせるなどの手間暇をかけた出汁に、「関ヶ原たまり」を主軸に6種類の醤油を合わせた醤油ダレを合わせたスープは、分厚い旨味と濃厚かつ円やかで香り高い醤油の魅力を楽しめる「鏡花」でしか味わえない絶品スープ!

 私個人のオススメは、滑らかな啜り心地とポコポコした口当たりを楽しめてスープとの相性もバッチリな「平打ち太麺」ですが、「細麺」も選ぶことが出来ます。細麺にするとガラリと印象が変わるので、是非2つとも試して貰いたいです。

限定復刻メニュー「今昔鶏想麺」

 そして現在の目玉とも言えるのが「今昔鶏想麺(こんじゃくけいそうめん)」。

 もともとは本店創業当初の2000年に“21世紀を想うらーめん”として提供された一杯を、令和版として限定復刻!

 厳選した21種類の食材を使い、名古屋コーチン・烏骨鶏・軍鶏・鴨・キジなどをブレンドしたという「鏡花」の原点とも言えるラーメンで、当時と全く同じ味ではないけれど当時のレシピで再現したものとなっていて、いかに時代を先取りしたラーメンを提供していたかを今改めて感じられて楽しむことが出来ます。

「今昔鶏想麺 -8年ものがたり-」(2008年)

「今昔鶏想麺 2014 Part1」(2014年)

 実はこの「今昔鶏想麺」は、これまでも何度か本店で提供してきています。

 私自身も「今昔鶏想麺 -8年ものがたり-」「今昔鶏想麺 2014 Part1」と食べてきてそのクオリティの高さを堪能してきましたが、今回の令和版「今昔鶏想麺」は今までで最も当時の味を思い起こす味わいで、尚かつ一番美味しい一杯に仕上げられていると思います。

 期限が決まっている訳ではなさそうですが、限定復刻なので是非早いうちに食べていただきたいと思います!


 『八王子ラーメン』という安価なご当地ラーメンが根付いた土地で、「高い」と言われることもある「鏡花」が果たして成功するのか!? 外野からはそんな声もあるかもしれませんが、この味に魅せられるお客さんはたくさん居ると思います。

若い力で創られる新しい「らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵」の味と雰囲気を是非ともお試しあれ!

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式ツイッター(https://mobile.twitter.com/kyouka_802)をご確認ください。

ZATSU

2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。

本人ブログ(https://zatsu-ke.blog.jp/

本人Twitter @zatsu_ke

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