マグロ、煮干し、鯛……「海」をテーマにした絶品ラーメン ラーメン 大冬樹 -DAITOHKI-(東京・桜街道)【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第16回

2020年06月22日 12時00分更新

多摩モノレール・桜街道駅から徒歩15分ほど、東大和市役所近くに店を構える

 海をテーマに素材の味を活かしたラーメンを提供し、一気に多摩地区を代表する人気店になった「ラーメン 大冬樹 -DAITOHKI-」。

 「いちや」等の何軒かのラーメン店で働いた後、最後の修業店となったお店は、第11回のコラム(https://ramen.walkerplus.com/article/4012401/)でも取り上げた、とき卵ラーメンで有名な「ラーメン大山家」。

 「大山家」ではお客さんの楽しみのひとつでもあった「大山家新聞」の発行や、麺茹での方法など色々な試みを提案して手腕を発揮すると、1年あまりで店長に就任。そして統括店長を任されるまでになり、その後独立。2016年2月、満を持して「ラーメン 大冬樹 -DAITOHKI-」をオープンさせました。

 店名の「大冬樹」はお母様に感謝の想いを込めて、ご主人自身とお母様の名前を掛け合わせたとの話。

 「大山家」出身でありながら豚骨を使わない新店を出すと聞いた時は、正直どうなのかな? と思いましたが、オープンして行ってみるとそれが杞憂に過ぎない事がわかりました。

 ラーメンの味だけで無く、その立地でやっていくのに必要な条件や、地域密着で地元の人に愛される雰囲気作りなどがしっかり計算されている辺りは、さすが統括店長を任された実力者。

3周年記念合同パーティーにて。左から2番目が店主の筑後大樹さん

4店舗のロゴがずらりと並ぶ記念丼

 仲間や後輩の面倒見も良く、「大山家」や「健やか」などで一緒に働いた仲間を今でも気にかけていたり、時を同じくしてオープンし話題となった人気店「麺.SUZUKI」「もつけ」「みやみや」と3周年記念合同パーティーを行うなど、人との繋がりを大切にするご主人の周りには自然と人が集まってくるようですね。

真鯛の魅力を存分に詰め込んだ逸品「鯛白湯ラーメン」

 「大冬樹」がオープンして、目玉商品となったのが「鯛白湯ラーメン」。

 現在は真鯛の入荷が不安定で休止していますが、このメニューによって注目が集まったのは紛れもない事実。

 動物系不使用で鯛のみを使用したという白湯スープは、信じられない位にクリーミーなコクがあり、鯛の風味と旨味を存分に感じさせながらもクセを抑えたもの。動物系白湯スープとは違って脂の重さを感じさせず、インパクトとバランスを兼ね備えた一杯に仕上げています。

「煮干し中華そば」

 煮干しの味と風味がガツンと来るもので、シャープで引き締まった味わい。パツンとしたハリのある細ストレート麺を合わせた一杯で、特徴をしっかり出した分かりやすく美味しい煮干しラーメン!

「海の塩中華そば」

 清湯に近いタイプではあるけれど、鶏やホタテの旨味が凝縮された力強い味わいと風味が感じられるもので、あっさり系なのにかなりの濃厚感というギャップを楽しめる一杯!

「ド煮干しまぜそば」

 煮干しの味を直に感じるような力強い味わいを、ポコポコした口当たりの平打ち手揉み太麺がしっかりと受け止める汁なし麺。

 卵黄のまろみや、紅生姜のアクセントも絶妙に効かせてあり、一緒に提供される自家製のラー油で味変すると堪らない味わいに!

「マグロ白湯ラーメン 味玉」

 「鯛白湯ラーメン」の休止によって代わりにレギュラーメニューとなったのが、マグロを使ったこの一杯!

 方向性は「鯛白湯ラーメン」と同じ感じの鮮魚系白湯スープですが、鯛よりも旨味や脂感などが全体的にアップしたような力強い濃厚さが感じられる仕上がり。バランス型の「鯛白湯」に対して一歩抜けたインパクトが感じられ、こちらの方が好みという人も少なく無さそうです。

 さらに限定メニューも定期的に行ない、中には季節の定番となっているようなものもあります。

限定メニュー「金目鯛の冷製麺」

 金目鯛を主としたひんやり冷たいラーメンで、金目鯛の味わいをしっかり感じさせながらも臭みやクセは一切無く、ほのかに甘味を感じるような旨味がたっぷり詰まっているもの。シコシコした麺や海草がたっぷり入っていて、暑い夏にピッタリな限定ラーメンでした。

限定メニュー「秋刀魚中華そば」

 焼いたサンマを食べているような錯覚すらしてしまう程にサンマの味わいが凝縮されたラーメンで、秋の味覚を遺憾無く楽しめる限定でした!

限定メニュー「鶏のポタージュラーメン」

 海の食材にこだわったお店ですが、唯一海産物を使わないのがこの限定メニューで、これまでに何度か登場しています。

 丸鶏を主体にジャガイモや玉葱等を加えたベジポタ鶏白湯で、鶏感満載の濃厚なものながら脂の重さを一切感じさせないスッキリした後口で、他のメニューとは全く方向性が違うのに「大冬樹」らしい味に感じる、不思議な感覚の一杯でした。

魅惑のサイドメニュー「ローストビーフ丼」

 サイドメニューにも力を入れていて、中でも大人気なのが自家製ローストビーフをたっぷりのせた「ローストビーフ丼」!

 柔らかい食感の中にある牛肉の旨味を存分に感じることが出来るもので、振りかけられたブラックペッパーが絶妙なアクセントをつけていて、濃厚な卵黄を合わせて食べると堪らない!

 ラーメンのクオリティの高さは勿論ですが、お店の方向性や、ラーメンのネーミングから想像する味を裏切らない分かりやすさ等、近隣住民の方がふらっと食べに来ても肩肘張らずに入店出来、選び、美味しく食べる事が出来る店作りがなされていて、それでいてフリークもしっかり楽しめる斬新さや奥深さを持ち合わせたオススメのお店です!
 

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式ツイッターをご確認ください。

ZATSU

2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。

本人ブログ(http://blog.livedoor.jp/zatsu_ke/

本人Twitter @zatsu_ke

この記事をシェアしよう

ラーメンWalkerの最新情報を購読しよう

PAGE
TOP