現在、日本全国には「ラーメンコンプレックス」や「ラーメンテーマパーク」と呼ばれる複数のラーメン店が集まった「ラーメン店集合施設」が多数存在しています。
1994年に開館した「新横浜ラーメン博物館」がその代表格で、今もなお人気のラーメンコンプレックスです。
この「新横浜ラーメン博物館」のヒットにより、全国各地で続々とラーメンコンプレックスが増えていきましたが、集客するのは簡単ではなく、長続きせずに短期間で閉めてしまった施設が多数あるのも事実。
そんな厳しい現状の中、10年以上も頑張っているラーメンコンプレックスが立川には2軒も存在します!
それが2005年に開業した「立川ラーメンスクエア」と、2009年に開業した「らーめん たま館(やかた)」。
どちらも常に適度な新陳代謝を図る事によって、ラーメンファンを飽きさせない施設造りを心掛けています。
先週の「立川ラーメンスクエア」に続き、2週目の今回は「らーめん たま館」をご紹介します!
立川駅の南口から5分程歩いた「立川アーバンホテル」の1階に、「らーめん たま館」はあります。
「たまかん」と呼ばれる方も時々いますが、「たまやかた」が正式名称。
立川を代表する名店「鏡花」の町田店主(通称「おやっさん」)が館長を務め、「三河屋製麺」協力のもとで2009年9月19日にオープンしました。
広々とした店内は、他のラーメンコンプレックスとは違って各店舗を隔てる仕切りが無く、ひとつの空間の中に4店舗が入っています。そんな開放的で明るく、和風な雰囲気を持たせた居心地の良い空間としてスタート。
現在は店舗毎の仕切りが付けられていますが、「たま館」としての一体感は健在。
多摩地区を代表する人気店や、チャレンジする新店が入れ替わりを続けるスタイルで、オープン以来ラーメンフリークを楽しませてくれています。
記念すべきオープン時のラインナップは、以下の4店舗。
「鏡花」のセカンドブランドで、背脂チャッチャ系ブームの復興をとの思いで立ち上げた「にぼぶら 鏡花」。
背脂を使った懐かしくも新しい味を提供し、いまだに「また食べたい!」という声を聞くお店です。
「辛辛魚」と呼ばれる辛味魚粉を用いた濃厚魚介豚骨で有名な、石神井の人気店「麺処 井の庄」。
多摩地区の“家系”代表格で、現在は海外にも店舗展開する吉祥寺の人気店「武蔵家」。
名店「らーめん いつ樹」から独立し、この「たま館」で創業したニューフェイス店「煮干し 青樹」。
2009年のオープン時は、以上の4店舗でスタートしました。
この時点で、「こんなお店がラーメンコンプレックスに参加するのか!」とフリークが驚きを隠せないラインナップで話題となりました。
2010年には、「富士丸」出身で、京都などの関西圏を中心に展開する二郎インスパイア系「ラーメン荘」グループの「その先にあるもの」がオープン。
2011年には、伝説の店「地雷源」がセカンドブランドとして深夜に営業していた幻のお店「裏七Jimmy」が「ラーメン ジミー」の名で復活という奇跡のような出店で、大注目を浴びました。
2012年には、「地雷源」のリニューアル後のブランドである「肉煮干し中華そば さいころ」が入り、その後も「怪人二十面相」や「雷一家」など、多くの地雷源グループが沢山の創作ラーメンで楽しませてくれました。
2013年には、おやっさんプロデュースの「海老つけ麺」が人気だった河辺の「三代目のぶ」のニューブランドで、「海老塩」をメインにした「のぶ」がオープン。
2014年、「のぶ」がガッツリ系の「立川マシマシ」へとリニューアル!
現在は関東地区や名古屋などでチェーン展開し、インスタントのカップ飯なども販売する人気店に!
2015年には、以前「たま館」の「鏡花」で店長を務め、おやっさんのお墨付きで独立した中村橋の人気店「ラーメン愉悦処 似星」が、凱旋という形で二号店をオープン。
多種の限定を提供し、常に話題を呼んでいる人気店の凱旋だけに、かなり話題となりました。
2018年には、卒業した「煮干し 青樹」が名実共にビッグになり、「初代 青樹」として凱旋オープンしました。
などなど、他の施設では招致出来ないようなお店が入れ替わりで入るという、ワクワクが止まらないラーメンコンプレックスとなりました。
現在は、「麺処 井の庄 立川」「立川マシマシ 立川総本店」「煮干鰮らーめん 圓 たま館店」「立川たんぎょう 菜花」の4店舗で営業されています。
【麺処 井の庄 立川】
「たま館」スタート時から在る唯一のお店。
オープン当初から不動の人気で、「たま館」の大黒柱的存在。
カップ麺などでも有名な「辛辛魚」のラーメン&つけ麺を主軸にした濃厚魚介豚骨が人気の「麺処 井の庄」。ドッシリとした濃厚さがありながらも魚介の風味とマッチした食べやすい仕上がりで、「辛辛魚」によるガツンと来る辛味のパンチを楽しめます!
かなり強い辛味ですが「控えめ」にする事も可能で、また辛味の無い普通の濃厚魚介豚骨もあるので幅広い層に親しまれています。
「ジロベジ」と呼ばれる背脂野菜をトッピングすれば、ガッツリ系ラーメンに変身させる事も出来ます!
【立川マシマシ 立川総本店】
「たま館」で圧倒的な人気を誇るお店へと成長した「立川マシマシ」!
非乳化タイプでビッと醤油を効かせながらもまろみのあるスープに、自家製の極太麺を合わせた、野菜や背脂がドッサリの二郎インスパイア系メニューの人気はもちろんですが、他の二郎系には無い多数の創作メニューがあり、中でも焼肉にたっぷりのタルタルソースがかけられた「すごい冷やし中華」の人気が高い!
【煮干鰮ラーメン 圓 たま館店】
八王子の人気店で、昨年3月に先代が引退し、「鏡花」が二代目として受け継いだ「圓」。その支店として昨年10月1日にオープンしたお店。
九十九里産の煮干しをふんだんに使った、グッと来る力強い煮干しの味と風味が広がるスープに、全粒粉入りの細ストレートを合わせた一杯は、先代の味を踏襲しながらプラスαの旨味が加わった厚みのある味わい!
「濃口」と「薄口」が用意されていますが、出汁の味をより顕著に楽しめる「薄口」がオススメ!
また、先代の時には無かった「背脂煮干鰮」もクセになる一杯。
【立川たんぎょう 菜花】
「鏡花」が手掛けるニューブランドで、今春4月にオープンしたばかりの新店。
「たんぎょう」とは「たんめん」と「ぎょうざ」のセットの事で、その2つがウリ!
大量の豚骨と6種類の香味野菜を使ったという清湯系の塩スープに、三河屋製麺の旭川ラーメン風細縮れ麺を合わせ、注文毎に炒めたシャキシャキ野菜がのる「たんめん」は、昔ながらのタンメンをモチーフにしながらもしっかりとしたこだわりを感じる、懐かしさと奥深さが共存した一杯。
最高級国産小麦「ゆめちから」を使用した特注の皮に、豚肉とキャベツの旨味をマー油香る豚骨スープで整えたというたっぷりの餡が詰まった、大きな「餃子」も絶品!
あえてメインに持ってきてはいませんが、濃厚さを楽しめる「ちゃんぽん」もかなりオススメ!
同じラーメンコンプレックスでありながらも、各店のメニュー構成なども含めて大衆性に力を入れた「立川ラーメンスクエア」とはまた違った雰囲気や方向性の「らーめん たま館」。
個性を重視し、各店が特化した味のラーメンを提供する“個性の集合体”とも言えるような魅力を持ち、だからこそ出せるクオリティの高いラーメンを楽しめるオススメのラーメンコンプレックスです!
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくは各店舗にご確認ください。
ZATSU
2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。
本人ブログ(https://zatsu-ke.blog.jp/)
本人Twitter @zatsu_ke
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