「東京一濃厚 とろっとろ とんこつラーメン」の看板を掲げるお店があります。
何をもって「東京一濃厚」と謳うべきなのかは定かでないですが、このお店に来てラーメンを食べれば納得できるはず。
そのお店が、JR中央線「武蔵境」駅南口から徒歩4分ほどの所にある「ラーメン きら星」。
ご主人の星野能宏さんは、学生の頃から日本全国のラーメンを食べ歩き、『TVチャンピオン 第6回ラーメン王選手権』では決勝に進出。さらには、多摩地区のラーメンフリークで形成された『武蔵野多摩らーめん団』のメンバーとしてラーメン本の出版をした経歴も持つ筋金入りのラーメンフリークで、私にとって尊敬するラーメンフリークの大先輩であり、憧れのラーメン店主の一人でもあります。
そんなご主人は、ラーメン店主になることを見据えた上で学生時代には新宿の人気店「竈 新宿本店(閉店)」でアルバイトをし、さらには就職も食材に関する知識や技術を高める為に魚屋に決めました。その後は、調布の名店「たけちゃん にぼしらーめん」にて修業を積み経験値を上げたものの、周りと同じような魚介系では意味がないと思い魚介系を封印し、独学で試行錯誤を重ねて作り上げた豚骨ラーメンを引っ提げ、2004年5月15日に「ラーメン きら星」をオープンさせました。
オープン当初から、濃度の高い本格派でありながらオリジナリティのある豚骨ラーメンを提供し、「カツオ餡」というトッピングを溶かすことによって濃厚豚骨が濃厚魚介豚骨に変化する「ダブルテイスト」という新たなスタイルを用いたパイオニア的存在としても話題となり、人気店となりました。
2008年には、定休日を利用した二毛作ブランド「ぶっきら星。」を立ち上げ、博多ラーメンをコンセプトとした濃厚豚骨ラーメンを提供(現在はやっていません)。
2009年12月には、羽釜で炊き出した濃厚な豚骨ラーメンを提供する「釜炊き豚骨ラーメン きら星 満天」を中野にオープンさせるなど、話題の絶えないお店となりました(2011年12月に閉店)。
東京を代表する豚骨ラーメンの人気店として確固たる地位を築いた「きら星」ですが、人気に甘んじることなく、ただひたすら豚骨と向き合い、ここ数年ではさらなる進化を遂げて再び注目を浴びるお店となっています。
その注目を浴びる一番の要因となっているのが、強烈なまでの「におい」!
最近では「豚骨スメル」などとも呼ばれていますが、「きら星」はとにかくそのインパクトが絶大!
ただ、それは豚骨の血や肉による「臭み」ではなく、血抜きして下茹でするなど丁寧に下処理をした上で3つの寸胴による呼び戻し製法で豚骨を炊き出したことによる「熟成臭」であって、臭くなってしまったものではなく、研究に研究を重ねた上で「臭くした」最強の熟成豚骨スープ!
「臭み」=「旨味」という単純なものではないと思いますが、この熟成臭は確かな旨味となっていて、トロンとしたとろみで唇がベッタベタになるほどの濃厚さがあり、そして超濃厚でありながら意外と脂っこさがなく食べやすいので、ハマると抜け出せない中毒性があり、今なおリピーターが続出しています。
スープのみならず麺も自家製にこだわり、その弾力や粉感を遺憾なく楽しめ、濃厚豚骨スープとマッチするものとなっています。
一番人気の「2種盛りチャーシューどとんこつ」では、大きくて厚みがあり旨味たっぷりで箸で持つだけで崩れてしまうくらいの柔らかさと重量感があるジューシーなバラロールと、低温調理された肩ロースの2種類のチャーシューを楽しむことが出来ます!
デフォルトの「とんこつラーメン」と「2種盛りチャーシューどとんこつ」が、ぶっとい軸となっているのであまり目立っていませんが、他のメニューも秀逸!
「赤いとんこつラーメン」は、濃厚豚骨に魚介テイストが加わって少しスッキリした味わいのスープに辛味が加わることで、旨味と辛味がそれぞれ引き立て合ったバランスの良い味わいに仕上がっています。
「ピリ辛」「辛」「激辛」「ヤバ辛」という4段階の辛さが選べるので、激辛マニアも楽しめる!
「熊本ラーメンに変更」を購入することで食べられる「きら星風熊本ラーメン」。
濃厚豚骨に、マー油・フライドガーリック・生ニンニクという3種のニンニクテイストが加わったインパクトのある一杯を楽しむことが出来ます!
ボイルしたキャベツとモヤシに、醤油で炊いた背脂と刻みニンニクがトッピングされた「チェンジ郎」。
これをラーメンにのせれば、二郎風テイストの最強豚骨ラーメンが完成する!
限定メニューも個性的! どれも「きら星」らしさを失っていないので、ファンにとっては楽しみの一つとなっています。
グロービートジャパンの「らあめん花月嵐」は有名店とのコラボラーメンを数多く提供していますが、その原点となったのが「きら星」。
2009年に提供された「ギンギラ星」のヒットによって有名店コラボが定着したものとなり、チェーン店でありながら「花月嵐」というブランドはフリークの間でも一目置かれるものとなりました。
そして、昨年は12年ぶり2度目のコラボにより、看板メニューの「2種盛チャーシューどとんこつ」を提供。大衆向けでありながらも「熟成臭」を楽しめるラーメンを作り上げました。
ラーメン通販サイト「RAMEN STOCK」を利用すれば、自宅で「きら星」の「2種盛チャーシューどとんこつ」をいただくことが出来ます。
他のお取り寄せラーメンにはない、「ラーメン作成時、部屋中が臭くなるのでご注意ください」という注意書きがされていて、実際に部屋中に熟成臭が蔓延してしまい笑ってしまうほど。お店は遠くて行けないという方は、是非こちらを試してみてください。
「熟成臭」であるにしろ「豚骨臭」であるにしろ、ハッキリ言ってその強烈な臭いに関しては好みが真っ二つに分かれ、誰もが好んで食べられるラーメンではありません。
ただ、豚骨ラーメンが大好きという人には一度は体験していただき、ハマって貰いたいと思う最強クラスのクサウマな豚骨ラーメンなので、ぜひ「きら星」に足を運んでみてください!
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式インスタグラム(https://www.instagram.com/ramen_kiraboshi/)をご確認ください。
ZATSU
2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。
本人ブログ(https://zatsu-ke.blog.jp/)
本人Twitter @zatsu_ke
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