

ラーメンWalkerがテーマを決めて名店店主とともに新たなラーメンをお届けする企画。2022年11月9日~14日は、「埼玉のラーメンを味わい尽くす」第1弾! ラーメンWalkerグランプリ埼玉殿堂入り店『中華そば四つ葉』をさらに深化させた2号店『中華そば深緑』で登場! 店主の岩本和人さんは、セカンドブランドをオープンからわずか2年で全国トップクラスまで押し上げた。ラーメン一筋の岩本店主の意外な生い立ちから今日に至るまで、ラーメンヒストリーを伺った。

父の寿司屋をラーメンの道で埼玉一の名店に
埼玉県出身の岩本和人さんは、寿司屋の息子として生まれ、そのままいけば父の跡を継いで寿司職人の道を目指すはずだった。「ずっと父の背中を見てきて、いつか料理の仕事をやりたいなと思っていたんですが、生ものが得意じゃなくて。だけど、何か料理で手に職をつけて、実家の寿司屋の場所で跡を継がなきゃいけないと思っていました」と岩本さん。
将来の目標がまだ決まっていなかった高校生の頃、浦和レッズファンだった岩本さんが、全国をサッカー観戦で回っている時に食べ歩くようになったのがラーメンだ。ラーメン屋を目指すようになったのは、サッカー観戦で海外に一人旅をしていた23歳の時だった。「サポーターばっかりで正直何もしてなかった。手に職をつけてちゃんとやらないとダメだなあと思ったんです。ちょうど、いろんなところで食べ歩くうちに、ラーメンといえどもいろんな種類があるってことに驚いて、そこからラーメンが好きになって。海外でそのことが頭に浮かんで、ラーメン屋をやろうと思ったんです」。
その後、有名店で修業しながら食べ歩きを続けるうち、町田の『69’N’ROLL ONE』の鶏と水だけで作った醤油ラーメンに衝撃を受ける。「丼が来た瞬間の香りが別物で、食べたことのない味…本当にすごかったです。自分も醤油ラーメンで店をやりたいと思いましたね」と岩本さんは当時の感動を語る。
そして2013年、長い修業の末35歳で父の寿司屋の一角に『中華そば四つ葉』を開業する。
<外観写真 (cap)何もない場所に四つ葉のクローバーがポツンと一輪佇むように開業した『中華そば四つ葉』
比内地鶏に埼玉の醤油蔵の醤油を使うなど、地産地消にも目を向けて作られた「四つ葉そば」、実家の寿司屋で出していた蛤のお吸い物からヒントを得て作った「蛤そば」など、岩本さんが手がけるラーメンは瞬く間に評判を呼び、車やバスでしか通えない店ながら連日大行列を作るまでに。『中華そば四つ葉』は、ラーメンWalkerグランプリにも殿堂入りし、埼玉一のラーメン店として地元で愛され、全国からファンが訪れる名店となった。

本店を超えるセカンドブランドでラーメンWalkerキッチン出店!
2020年、『中華そば四つ葉』がオープンして8年目。岩本さんは、セカンドブランドの『中華そば深緑』を立ち上げた。限定ラーメンを作るうちに、全国のいろんな食材の素晴らしさを知り、新しいラーメンを作りたくなったという。「四つ葉を超えるラーメン店を目指そうと思ったんです」と、さらなる挑戦が始まった。スタッフが増えて成長してきたことも2号店オープンのきっかけの一つだ。
(cap)東松山駅から車で15分ほどにある『中華そば深緑』。カリモクの椅子などゆったり寛げる店内
『四つ葉』はシンプルな地鶏と醤油のラーメンがメインだが、『深緑』はたくさんの食材を使ってバランスよく仕上げた味。毎日たくさんの食材をスープに投入するので、最初の頃はなかなか安定しなかったという岩本さん。「出来立てのスープだと、貝とかがすごく強くて、どこかで食べたことがあるようなラーメンだなって感じになる。だから、スープを真空パックして何日か寝かせるんです。僕は合宿させて、みんな仲良くさせるって言うんですけど(笑)。そうすると、どの旨味が飛び出るでもなく、特別な旨味というか、最初の出来立てのスープとは全然違うまろやかな味になるんですね」。
さらに自家製麵も始めた。「製粉屋さんからやり方を教えてもらいながら、ずっと作り続けてきたんです。なかなかうまくいかなくて、独学で少しずつ練習して、やっと『深緑』で出すことができました」。

今回、2周年を迎えた『深緑』が、ラーメンWalkerキッチン初出店でこだわったのは、スープも自家製麺も店と同じ状態で提供することだ。渾身のラーメンがこちら。

黒出汁のスープは、六白黒豚、松阪牛、東京軍鶏、牡蠣、蛤、野菜などから旨味を出し、7種の醤油をブレンドしたタレを合わせた一杯。はるゆたか、春よ恋、きたほなみなど国産小麦6種を使用した自家製の細ストレート麺は、リフトアップしても汁面から出ないほどの長さ。長くしなやかな麺はいつまでも啜り続けたいくらい旨い。

白出汁のスープは黒出汁と同じだが、タレに長野の淡口醤油を使用。さらに乾物をたっぷり加えて熟成させることで、黒出汁と違った味わいに。白出汁・黒出汁ともに同じ自家製麺を合わせているが、スープの違いで麺の味わいも様変わりする。

僕らは日本に素晴らしい食材があることをラーメンで伝える役目がある
通常メニューの他に、今回は特別に限定麺「伊吹いりこの中華そば」も提供された。もともと『深緑』では、あまり限定麺を提供しないということで、常連客もわざわざ足を運びたくなる嬉しいラインナップだ。

麺は、この限定のために2種類、前半と後半で違う麺を打つという。後半は、『支那そばや』御用達の春よ恋の新麦を100%使用した麺と、ラーメンファンが泣いて喜ぶ仕様。


麺を打つ時、専門書籍に書かれてあるように、気温や湿度などをチェックするといったことをしないで、「ただひたすら手の感覚で覚えるようにやってきました。粉と水で対話しながら、結構アナログなことをやってます」と岩本さん。
その一言で思い出したのは、先月出店した『らーめん鉢ノ葦葉』の自家製麺を岩本さんがサポートしたことだ。東海エリア随一の技巧派と呼ばれる『らーめん鉢ノ葦葉』堀店主のレシピをマスターした岩本さんが打った麺の美味しさ、やり遂げたことの素晴らしさはラーメンWalkerキッチンのお客様にしっかりと届いていた。
「これから四つ葉と深緑でもっともっと美味しいラーメンを作りたい。そして、一番伝えていきたいのは、生産者さんの思い。日本には素晴らしい食材があるのに、まだまだ知られていない。また、北海道や九州の食材に目が行きがちだけど、埼玉にもいい食材がいっぱいあります。美味しいラーメンを作るだけではなく、そういう素晴らしい食材を使っていくことで美味しさを伝えられるように、僕らには伝える役目があると思っています」

普段とは違うお客様に如何に『深緑』のラーメンをアピールできるか、美味しいものを出せるかを常に考えながらの6日間。最後に「すごくいい状態でいいものがお客様に提供できている自信はあります」と語気を強めた。
常連客も、初めて『深緑』を知った人も楽しめる最高のおもてなしに、感動であふれたラーメンWalkerキッチン。開業3年目の幕開けを、岩本さんとスタッフの皆さんが華々しく飾ってくれた。

中華そば深緑
埼玉県東松山市今泉297-11
11:00~15:00 ※夜営業がある日もあり
土日祝休
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。臨時休業など、詳しくはお店の公式ツイッター(https://twitter.com/fukamidori428)をご確認ください。
ラーメンWalkerキッチン
埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3-205
04-2968-7786
JR武蔵野線「東所沢」駅徒歩10分
https://ramen.walkerplus.com/kitchen/