黄色い看板はガッツリ二郎系の証! ラーメン エース(東京・西八王子)【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第12回

2020年05月25日 12時00分更新

JR西八王子駅から3km弱、黄色い看板が目印の「ラーメン エース」

 三田で産声を上げた「ラーメン二郎」。

 学生たちに安価でお腹いっぱいになって欲しいという思いから始まったラーメン二郎は、分厚い豚(チャーシュー)にどっさりの野菜とニンニク、こってりスープに極太麺を合わせたワイルドなもので、以前は「二郎はラーメンでは無く『二郎』という食べ物」と言われていましたが、現在は「二郎系」「二郎インスパイア系」と呼ばれラーメンの中の一ジャンルを築くまでになり、各所で「二郎インスパイア系ラーメン」を食べられるようになりました。

 ただ、いつの間にかビジュアルを似せるだけのお店も増えてきてしまい、本当の意味でインスパイア(感化)されて作ったラーメンが少なくなってしまったようにも感じられ、それが悪い訳では無いけれどちょっと寂しさを感じます。

 そんな中、二郎にインスパイアされ、二郎をリスペクトしているという気持ちが伝わってくるラーメンを提供するのが今回ご紹介するお店、工学院大学の八王子キャンパスのすぐ近くにある「ラーメン エース」です。

 「ラーメン二郎」での修業経験がある訳では無いけれど、その味は二郎と遜色の無いもので、「学生に安価で沢山食べて欲しい」という魂をしっかり受け止めている感じで、2011年11月のオープン以来、基本メニューの「ラーメン」は据え置き価格の650円で提供し続けてくれています。

2011年11月5日オープン。工学院大学八王子キャンパスが目の前という立地

 控えめで穏やかな優しいご主人の性格が出たのか、オープン当日も大々的な告知は無く、夕方からさりげなくスタートしました。

初心者マーク付きの優しい券売機(券売機を最近新調したとのことで、画像は入れ替え前のもの)

 「二郎系」のお店特有の殺伐とした雰囲気は一切無く、学生を中心にいつも賑わいを見せています。女性だけのグループも沢山利用しており、誰もが入りやすく居心地の良い空間を造り出してくれていて、メニューにも食べやすいサイズの「少なめ」を用意し、初心者マークを付けて初めての人でもわかりやすいようにしてくれています。

「ラーメン(ニンニク少なめ・他全マシ)」このボリュームで650円!

 豚骨や豚肉などの旨味をたっぷりと感じるスープは、日によって多少の違いはありますが軽く乳化したタイプでまろみがあり、こってりはしているけれどギトギトし過ぎず、二郎系らしいジャンクさを持ちながらもキツさの無い食べやすいバランスに仕上げられています。

 ここに刻みニンニクが加わることでガツンとしたパンチが出て、これがめちゃウマなんですが、ここのスープはニンニク無しでも物足りなさを感じさせない美味しさです。

 旨味たっぷりな背脂や、殆どハズレが無いホロホロトロトロの分厚い豚も堪らない味わい!

ワシワシとした食感が楽しい自家製麺

限定で提供した、二郎系ではちょっと珍しい全粒粉入り麺

 麺は自家製。

 二郎直系と同様に「オーション」という小麦粉を使用したもので、小麦の風味が高く味わい深さがあります。極太ではあるけれど二郎系としては比較的細めで、スープとのマッチングも良く、箸での持ち上げやすさや啜りやすさがあり、優しさを感じる味わい。

 麺も少しずつ進化していて、二郎系としてはあまり見かけない「全粒粉」を使用した麺を限定で提供したこともあり、ご主人のチャレンジ精神を感じられます。

 卓上には定番のブラックペッパーや唐辛子以外に、なんと「カレー粉」まで置いてあるので、様々な味変を楽しむことができます。

 他にも有料トッピングの「生唐辛子(50円)」で刺激的な辛味と風味を楽しんだり、「生たまご(50円)」を追加して麺をつけて「すき焼き」風に食べるのもオススメ!

ラーメンメニューにプラス100円で「つけめん」に!

 「つけめん」は、麺を水締めすることによってラーメンとはまた違った強い食感となり、白ゴマの風味や柚子果汁によって清涼感も楽しめる味に仕上がった一杯。

ラーメンメニューに「汁なし(100円)」と「粉チーズ(100円)」追加してカルボナーラ風に!

 「汁なし(粉チーズトッピング・アブラマシマシ)」はブラックペッパー・卵黄・粉チーズが混ざりあって、カルボナーラを連想するような味わいとエースならではのジャンクさが合わさった逸品!

 そして安定した味わいのレギュラーメニューだけで無く、創作意欲のあるご主人は定期的に限定メニューも提供しています。

限定メニュー「家系」

 家系なんだけど二郎系!? 二つの要素を併せ持った不思議な感覚の一杯。

限定メニュー「汁なし担々麺」

 彩り鮮やかなビジュアルで、山椒などのスパイスの風味を活かした濃厚な一杯。

限定メニュー「煮干」

 二郎系のラーメン店が作ったとは思えない位に力強い煮干しの味わいを楽しめ、それでいて「エースらしさ」をしっかり感じさせてくれる、ご主人の多才さが顕れた一杯。

 他にも沢山の限定メニューがありますが、共通して言えるのが麺の美味しさ。

 自家製麺の美味しさがあるからこその限定で、レギュラーとは違ったスープやトッピングによって自家製麺の色々な表情を楽しむことができるのが限定の面白さとも言えます。

 飽くまで個人的な印象ですが、今回ご紹介した「ラーメン エース」は10年前の「ラーメン二郎めじろ台法政大学前店(現・めじろ台店)」の味を彷彿とさせるラーメンで、当時のその味が二郎系の中で一番好きだった私にとって、エースは現在の二郎系の中ではピカイチ!

 二郎系を食べてみたいけど……という初心者の方から、ジロリアンと呼ばれる二郎マニアの方まで、一度は食べてみて貰いたいと思うオススメのお店です♪

 余談ですが、奥様がエースの2階で「Cafe Amnos」というベーグル屋さんを営んでいて、ラーメンを食べた後にベーグルを食べるお客さんもいるそうです!

 ※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式ツイッターをご確認ください。

ZATSU

2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。

本人ブログ(http://blog.livedoor.jp/zatsu_ke/

本人Twitter @zatsu_ke

この記事をシェアしよう

ラーメンWalkerの最新情報を購読しよう

PAGE
TOP