ラーメンWalker発！「未来を輝かせるラーメンストーリーズ」第11話

熊本ラーメン盛り上げ隊！『天外天』×『黒亭』が地元・熊本の魅力をラーメンで伝える（特別編）

2022年05月11日 12時00分更新

　ラーメンWalkerがテーマを決めて名店店主とともに新たなラーメンをお届けする企画。今回は、熊本ラーメン盛り上げ隊スペシャルとして、熊本ラーメンを代表する2店が4月14日～27日まで出店し、大盛況のうちに出店期間を終えた。熊本ラーメンストーリーのラストは特別編として、『天外天』店主の小田圭太郎さん×『黒亭』店主の平林京子さんの熊本ラーメン対談をお送りします！

「熊本ラーメン盛り上げ隊！　『天外天』×『黒亭』が地元・熊本の魅力をラーメンで伝える（前篇）」はこちら
 「熊本ラーメン盛り上げ隊！　『天外天』×『黒亭』が地元・熊本の魅力をラーメンで伝える（後編）」はこちら

『黒亭』店主・平林京子さんと、『ラーメン天外天』店主・小田圭太郎さん

スタンスの違う店同士、熊本ラーメンにかける想いとは？

　『天外天』から『黒亭』にバトンタッチしたあとは、『天外天』駅前店の店長小田健史さんが残ってサポートする。入れ替わり直後の小田店主と平林店主に、今回の出店について伺った。

『黒亭』平林店主と『天外天』小田店主

平林　完売おめでとうございます。ほっとされてますよね。

小田　いやあ、お客さんの前に立つのが楽しかった。ちょうど発注通りで売り切れて、ミッションコンプリートです（笑）。

―同じ熊本ラーメンの店として、小田さんから見た『黒亭』とは？

小田　スタンスが全然違うと思います。黒亭さんは、古いことを守り続けてちょっとずつ新しいこともしていく感じですが、うちは常に新しいことばかりしてる。古いことを全部捨ててるんですよね。

平林　私は、昔の黒亭を考えてしまいますね。変えていくことがあっても、どこかは守らないといけないというのが念頭にある。変えているつもりでも全然まだまだ足りないよって、小田さんから言われそうですね（笑）。

小田　今回、出店2日目で作り方変えましたからね。ラーメンWalkerTVの撮影が朝8時からあって（笑）。朝8時に食べられるようにするにはどうしたらいいか考えたら、作り方を変えるしかないってなって、仕込みの順番を全部変えた。

仕込みが変わっても、小田兄弟の息のあったコンビネーションで渾身の一杯を提供

平林　なるほど、もともと深夜営業のお店だからですね。

小田　その時間にばっちり一番いい状態にするための変更だったんですが、そっちのほうがよかったから後半は変更したやり方で通しました。ベースが一緒で旨けりゃいい、自分がいま美味しいと思うものを出せばいいだけです。

1989年創業の『天外天』。夜営業のみで連日大行列、まさに熊本県民のソウルフード

1957年に創業した『黒亭』。2006年に移転し現在の店舗に

平林　うちは黒亭らしさとは何かを常に考えてるから、そこは違いますね。今回、こちらのキッチンでスープを作ったり、チャーシューを作ったりするので、どこまで再現できるのかがチャレンジです。小田さんに手伝っていただいたみたいなんですが（笑）。

黒亭らしさをだしながら、調理面でも小田店長がサポート

地元にしっかり根を下ろし、熊本ラーメンの未来を切り拓く

―こんなに考え方が違う2店が、今回タッグを組んだというのが面白いですね。

小田　逆に同じ考えの店だったら、まったく面白くなかったかもしれません。全然違うほうが面白いと思います。

平林　本当に違いますよね。うちは家業だったので、こんなにみんなに注目されるとは思ってなかった。だからこそ、昔の黒亭と比べられるっていうプレッシャーがあって、ずっと葛藤しながらですが。小田さんは、東京でも精力的に活動されてて、すごく注目されてますよね。

小田　そんなに他県に出かけて、でしゃばりたいわけじゃないです。熊本で自分の店をちゃんとやってれば貢献できると思ってるんで。今回の出店も、特別なことはしてないですから。明日から平林さんも、一番目立つところで声出してがんばっていれば、それだけでお客さんも喜ぶと思いますよ。とりあえず熊本弁で（笑）。

平林　そうですね（笑）。小田さん、軽い感じで言われてますが、本当はラーメンに対する想いがすごいある方なんですよ。天外天があって、黒亭があって、いろんなお店があるからこそ熊本ラーメンが盛り上がると思っています。ここでも、ラーメンを通じて熊本を感じていただけたらうれしいです。おいしいと思ったら、ぜひ熊本にもきてほしいですね。